[026]宗教の話

 よく話題として取り上げてはいけないものに「宗教」というテーマがあります。ところが、外国人にいきなり「日本の宗教は何か」と聞かれて困ったことがしばしばあります。特にイスラエル人、マレーシア人、インドネシア人などに聞かれると、ご承知のとおり、ユダヤ教やイスラム教の生活習慣で世の中がまわっているだけに「日本ではほとんどの人が無宗教です。」と答えればいい加減な国民のように思われそうです。苦し紛れに「仏教の人が多いです。」と答えてもそれは葬儀を仏式で行う人が多いだけに過ぎず、結婚式はキリスト教、お正月には神社に初詣という混合パターンが、何の不思議もなく行われているのが日本です。中には「葬儀はキリスト教、結婚式は仏式でやるのが逆パターンで経済的なんです。」と説く人までいます。

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[025]分業社会

 新入社員の男子総合職には一般職のアシスタントがつき、課長代理の私にはいない、という冷遇を会社員時代に受けたことがあります。いわゆる女性差別です。自分でお茶を出しながら面談をする、営業のかたわら伝票の入力や発注書の作成など特に月次や年度末の決算期などは事務仕事に追われてんてこまいでしたが、社内の書類の流れやそれぞれの意味、システム上の裏ワザ、営業活動をする上で手続き上おさえておくべき点など、いろいろ学ぶ点がありました。この経験が後日業務のシステム化を行う際に役立ち、また現在の業態にも多いに貢献しています。
 産業革命後、大量生産体制が可能となり、効率性から分業という発想が生まれたと思います。大企業ではホワイトカラーも分業体制をとっています。たしかに、同じ業務を大量にこなさなければならない企業なら、分業の方が効率的です。しかし、そうでない場合は、自己完結でやる方が絶対早く、当然コストパフォーマンスも高いということを忘れてはいけません。
 たとえば、私が輸出をするとします。総合商社なら営業担当とそのアシスタントが契約の締結と必要な書類作成と入出金の管理をコンピュータで行います。実際の船積書類は受渡という部署なり担当(通関業者からの逆出向者だったりします。)が作成して通関なり船積みの指図をします。実際の入出金行為は財務が行います。他に正しく記帳がなされているかチェックする経理の担当も出てきます。完全な分業体制です。これを私の会社では法人税や消費税の申告に至るまで全部ひとりでやっています。もちろん、人海戦術が必要な時はアウトソーシングしていますが。
 なぜひとりでやれるかと言うと、指示や説明を行う時間やレポート作成、社内会議に費やす時間が不要だからです。これはコストの削減という意味では偉大な力を発揮します。現在、大手総合商社から仕入れさせていただいている商品がありますが、彼らはコスト面からもスピード面からも私のビジネスには勝てません。メーカーから売りつなぐのが精一杯です。

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