最近の中国の発展には目覚しいものがありますが、ふだん中国と縁のない方にとっては、漠然と中国の国全体を地図で思い浮かべることができても、各省や主要都市がどの辺にあるのかほとんどわからない方も多いことでしょう。汎珠江デルタ経済圏、別名9プラス2、が中国政府の全面支援を受けて誕生したのをご存知でしょうか。9というのは広東省、江西省、福建省、湖南省、貴州省、四川省、雲南省、海南省、広西チワン族自治区をさしていい、2は香港行政特別区とマカオ行政特別区のことです。
なんとこの地区の総人口は4億5600万人、広さは200万平方キロ、域内 GDPは約70兆円です。5月1日から25ケ国に拡大したEUに人口が匹敵、面積は半分に相当します。ご承知のとおり、広東省は中国の輸出の約半分を担うエリアです。また、昨年の中国の個人平均年収でもトップが深セン市、そして広州市、上海市、北京市、天津市という順序で、トップ2は広東省です。つまり市場としても有望で、隣には国際金融センターの香港を抱えるという条件に恵まれた新経済圏です。
おまけに日本より先にスタートするアセアン諸国との FTAも中国はここを玄関口にしようと考えています。香港がアセアン諸国にいかに近いか、地図で確認されればおわかりでしょう。また、雲南省は山奥のイメージからアセアン諸国との貿易で一気に開けました。ラオス、ミャンマー、ベトナムと国境を接しているからです。この経済圏は陸路でもアセアン諸国とつながるのです。
[076]異質への理解
私が貿易に携わってもう28年になります。会社員を辞めた後も貿易コンサルタントの仕事を選んだのは自分の強みとして「外国人と仲良く仕事ができる」というのがあったからです。外国人と話をするのは大好きで、なぜなら私は異文化に興味があり、彼らもまた「異質」を理解しようとするからです。
Understandというのは理解をするという意味ですが、あなたの言うことや立場は理解できる、というだけで自分が心から賛同するという意味は含まれてはいません。自分とはまったく同じでなくても相手の存在を認める、そしてビジネスにおいてはその違いを良い方向に生かそうという頭が次に働き始めます。
ところが、日本の場合は異質な人、違う意見を持つ人は仲間はずれにされる傾向があります。ムラ社会、大家族主義の伝統や戦後民主主義のはき違えで何でも多数決あるいは全員一致主義から来るのかも知れませんが、力で他人の意見を押さえつけようとする人、反論する人をなじる人、あるいは人の顔をうかがって黙って得になりそうな方につく人、最悪は何も考えないで支配されているだけの人が結構います。