私がこのフランスでブルゴーニュ地方以外に住むならば、それは迷わずアルザス地方でしょう。ワインだけならボルドーが一番好きだけれど、ワイン、郷土料理、景色、暮らし易さのどれを取ってもブルゴーニュに匹敵する位に気に入っているのはやはりここアルザス地方。
国内でもこの地方のワイン単価は高いと感じます。だから毎晩の晩酌というよりもホームパーティに出す時の1本かなアルザスワインは。そんな中、この地方のワインを心行くまで堪能出来るのが毎年9月第一日曜日開催のサンティエールグルマンドです。アルザスワイン街道にあるシェールヴィラー村は人口2600人強なのにこの祭りには3500人以上の参加者が四方八方から来るという。来るのは国内だけでなく山を越えてスイスやドイツから団体が。
ブルゴーニュのバラードグルマンド同様にこのサンティエールグルマンド(私は勝手に味覚歩け歩け大会と名付けています。)は6キロの道程を1キロ毎に郷土料理とワインを堪能するというもの。ブルゴーニュのラドワセリニー村がブルゴーニュらしい田舎風景なのに対し、シェールヴィラー村もアルザスらしい田舎風景です。切妻と木骨家屋は漆喰の壁がピンクやブルーで塗られ村中至る所に花が咲き乱れています。とてもメルヘンチックな村です。
観光名所というものはなくワイナリーばかりです。ワインが好きな人にとってここはアダムとイブが禁断の罪を作ったエデンの園と同じで飲み過ぎという禁断を犯してしまいそう。ここは高級なアルザスリースリングの主要産地です。出されるワインは6種、でも1種につき数軒のワイナリーが出すので全部を飲むとかなりの量になります。食事は立食。シュークルートをメインにこの地方らしいメニューが出ます。
この地方の葡萄畑はとにかく丈が高くもうすぐヴァンダンジュ(葡萄摘み取り)の時期になりますが、ここで働くと背中がまっすぐなって姿勢が良くなりそう。
この地方が好きな理由にパンとチーズが美味しいことがあります。牧畜が盛んなだけでなく、歴史的にドイツの影響もあるのでパンが美味しいドイツがそのままここに来たようです。そしてアルザスワインは文句なしに美味しい。アルザスではとにかく英語が良く通じる。仏語が未だにおぼつかない私にとってはとにかく楽チン。やっぱりブルゴーニュ以外に住むならここかな。
受け付けはこの村の観光局にて4月から開始です。興味のある方は来年にこの村の葡萄畑で会いましょう。
L’Office de Tourisme de Chatenois-Scherwiller
Fax: 03.88. 82.71.74
夢路とみこ