[053]コート・ダジュール

南仏というところは3つのルートに分けると面白い旅ができると思いました。一つ目はピーター・メイルの世界が広がるプロヴァンスルート、2つ目はカルカッソンヌの月と異端カタリ派の歴史を巡るランドックルート、そして三つ目はイギリス人だって避寒して来るほどの暖かい紺碧海岸、コート・ダジュールルート。
コート・ダジュールルートを旅するのならニースかカンヌを起点にすると効率の良い旅が出きると思います。ニースはとても大きな町なのでホテルは駅前よりも市街中心街に取り、郊外行きバスをフル活用すれば海岸沿いの観光地はだいたいカバー出来ます。鷲ノ巣村の数々にもやはりバス利用が便利。車窓からの風景はため息が出るほどに美しく建ち並ぶ高級住宅の数々にはうっとり、でもあんな岸壁のところにたてられるのもここには地震もなければ津波もないから崩壊の危険にさらされてないからでしょう。


冬のコート・ダジュールは写真で見るほどにはダジュール(紺碧色の)はでなかった。でもところどころ水の色がエメラルドグリーンの大きな水玉がありそれもまた味があって良し。波はかなり穏やかでサーフィンという訳には行きませんがヨットやクルーザーが本当に似合う海でした。砂浜というよりも砂利浜でゴミも全くなく良く整備されていてこれが観光客を集めるのでしょう。
この辺は元イタリア領土だったらしくニース語そのものがイタリア語に似ている。車で数時間も行けばイタリア国境を越えられるという事もあり雰囲気はかなりイタリアン。食事はオリーブ油、トマト、茄子など南仏野菜に海があるというところから海産物が美味しい。これまで私が経験した南仏ルートでは一番食事に満足したルートでもあります。ここには著名なワイナリーはないけれどコート・ド・プロヴァンスのワインが飲めます。
ディジョンや日本でコート・ド・プロヴァンスのワインというと口当たりの軽いおつまみ用のロゼ位しか見かけませんが、ここまで来ればしっかりした赤、すっきりした白もあり、やはり地元まで出向かいないと銘酒には会えないと確認。魚介類の料理に合わせるのにビールやロゼというお決まりからちょっと抜けて大胆にふくよかなコート・ド・プロヴァンスの赤ワインに是非トライして下さい。オリーブオイルがちょっときつめのここの料理なら赤でも大丈夫。ニースのワインバー、ヴァン・シュール・ヴァンの魚料理ではかなりマッチしました。
Vin Sur Vin 18 Bis Rue Biscarra 06000 Nice Tel: 04 93 92 93 20
夢路とみこ