[056]鷲ノ巣村めぐり その1

カンヌから行く鷲ノ巣村はビオット。国鉄BIOT駅からバスで登る事10分。途中車窓から上を見上げると「鷲ノ巣」ぶりがはっきりとします。でもバスの速度が速すぎて中々シャッターチャンスが掴めないのが残念。
レイモン・ペイネという画家を知っていますか?みつはしちかこの「チッチとサリー」の様な絵柄を描くイラストレーターです。(もちろんペイネの方が古株)彼の美術館はアンティーブにありファンなら立ち寄りたい町ですが、ビオットの観光局の中に何故かしらペイネ作品のギャラリーがあります。こんなところで再びペイネ作品にお目に掛かれるとは嬉しい驚き。ペイネがビオットをテーマに描いた作品のコレクションが展示されています。これだけでもビオットに来た甲斐がありと思いました。
ガイド本によるとビオットはガラス細工の町とあり、それは本当なのですが、とてもふらりと立ち寄ってお土産に買うという代物ではなく、かなりの芸術品揃い、つまりお高い。欲しいものはたくさんありました。VISAを始めとしてJCBも使用可というところから日本人観光客も多いのでしょう。でもみんな買うのかな?


ピカソが好んで住んだというヴァロリスは鷲ノ巣村ではなくとも充分に高台にありました。途中カンヌのマリーナが良く見えて富豪達のラブロマンスはここが舞台か、ふむふむと思えました。先のビオットがガラス細工の村ならこちらは陶芸の村。ところ狭しと建ち並ぶお土産物の陶芸品店の間にこれぞ芸術と思える店もあり良く目を開いて歩かないと見逃してしまいそう。
ピカソと言えばまず頭に浮かぶのは彼流の美人画を始めとして絵画ばかりですが、ここでは陶芸と彫刻の活動をしていたようです。国立ピカソ美術館ではあの美人画を描いた彼らしい陶芸作品もあり。壷の絵柄にもあの美人が登場するのには苦笑。陶芸はやはり日本のお家芸か、スズキ・マサミ氏、イチカワ・コウゾウ氏など13名もの日本人作家の作品も展示されていました。
こんな小さな村にこれだけの日本人作家の作品が集まっていると言うのはそれだけ陶芸に造詣の深い村なのかもしれない。それぞれの作品もまた日本で見る陶芸家の作品よりは遥かに巨大でダイナミック、外国に展示されるだけの力強さも感じられました。
ピカソの壁画「戦争と平和」はスペイン内戦時の作品「ゲルニカ」になぞり朝鮮戦争への反戦を詩っているという説明を受けた時、未だに終わらない戦争がまだ事を思いその絵が迫って来ました。
夢路とみこ
【関連記事】
[058]鷲ノ巣村めぐり その2