[058]鷲ノ巣村めぐり その2

ニースは町そのものが広く観光すべきところが多過ぎて1,2泊の滞在で鷲ノ巣村巡りもやろうという大急ぎの旅には向かない様です。地中海性気質に倣ってやっぱり3,4泊を目安にファニエンテ(伊語でのんびりというらしい)して下さい。
ニース発のヴァンス行きバスならばヴァンスもサン・ポールもカーニュ・シュール・メールにも行けます。同じルート上にありますが、1日で3村を回るのは大変。
まずはヴァンスへどうぞ。マティスのロザリオ礼拝堂はバス停から歩くこと15分。高級住宅地が建ち並ぶところにポツンとありますが、さすがマティスがこの地を選んだというだけあって地中海が綺麗に見えるし、周辺には芸術家も多く住んでいるようです。所々に「絵画教室」の看板やアトリエが見え、製作途中の作品が窓越しに見えたりもしました。


礼拝堂には修道女がいて仏語のみですが解説もしてくれます。ステインドグラスも良かったけれど彼がデザインした法衣コレクションがとてもお茶目な感じがして大聖堂の司教がこれを着て説教してくれたら教会が結構明るくなったりして。ゴスペルシンガーの迫力とこの明るいマティス作法衣でさんさんと太陽が降り注ぐ真夏のコートダジュールの海岸で礼拝をしたいな、何て事も考えました。とてもアヴァンギャルドなモダンな礼拝が出来そうです。
ヴァンスは礼拝堂見学のみにして散策はサン・ポール村にてどうぞ。ヴァンスのバス停から10分位。サン・ポール村バス停前に「ヴィエイユ・ムーラン」という名前で実際に大きな水車があるカフェ・レストランがあり小腹が空いてるならここで軽食をした方がベター。ニース名物のゾッカもあるし、ファルシーもあり安くて美味しい。バスでニースからかなり登っているのにバス停から村の中心地に行くには更に15分位徒歩で登ります。
この村は画家村らしく、風景画はもちろんのことモダンアート的な作品を揃える画廊がたくさんあります。値段も高いけど重いのに買う人がいるのかと思いきや、買った絵を掲げ降りて行く日本人や米国人観光客とすれ違いました。芸術の分る人は苦労しても持ち帰りたいのでしょう。
私は鑑賞するのが好きで方々の美術館やギャラリーを覗きます。咳き込みながら登った鷲ノ巣村で観る芸術品には周辺の景色の美しさという無料のおまけもついてるからその感動はひとしお。絵は買えないけれど写真を撮るのが好きな私はフィルムとその現像代が絵の様に高くついています。
夢路とみこ
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