[138]ようこそ日本へその3

1年ぶりに帰国したら面白いポスターを見かけました。「パリ行くのやめた。凱旋門より雷門」という国内旅行を奨励する宣伝なんでしょうけれど、「うまい!」と思いました。凱旋門と雷門、さてその規模を考えると比べ物になるかなとも思いきや、日本の良さをもっと発見すべきとも感じ入りました。
外の世界に憧れるのは東西南北皆同じ。フランス人だって日本に憧れる。でも果たして私達は充分に日本の事を知ってる?説明出来る?現在のフランスで「フジヤマ、ゲイシャ」何て言う人はさすがにいませんが、ヌーヴェル・キィジーヌの発端となった懐石料理や江戸前寿司が平均的な毎日の食卓だと思っている人は少なくありません。カラオケが日本から来たものであると知らない人は多く、中国の老酒と日本酒はみーんな「サケ」で同じものだと思っています。


初歩的な勘違を正すのは難儀ではありません。こちらで間に合う食材を頼りにカレーや焼きそばを作ることで「家のご飯はいつもコレ」で修正が効きます。カラオケの語源は「空」の「オーケストラ」から来てる事、老酒と日本酒の違いは飲ませてみれば分かる。じゃあ、日本未踏の親日家のお相手はどうする?未踏の人に限ってものすごい知識が豊富で日本酒の事は「白雪」「日本盛」という大手メーカー名ではなく「天狗舞」「久保田」と地酒で迫ってくる。そうなると自国の地方特色を知らずに来てしまったからタジタジ。日本人の私達がワインに詳しいように日本酒に詳しいフランス人がいても可笑しくない。
となると、やはり帰国中の買い物駆け込み寺は地方物産のアンテナショップ。日本のものならほぼ手に入るパリでも、地方のものは殆どない。ここで買う地方物産品はご近所の日本人の友人達への格好のお土産になるし、その地方独特の織物や置物がありフランス人へのお土産にもなる。その地方を自分がまず学びそれを伝えることで日本にはフランスのブルゴーニュやプロヴァンスのような自然豊かな地方もあることを紹介出来るという一石二鳥かな。
ディジョンには「ギョーム門」というミニ凱旋門があります。さて、この町の人はこれを見ながら「パリ行くのやーめた。凱旋門よりギョーム門」何て行ってるのかな?私の周囲のディジョネーはディジョンからほぼ出たことがないという人が何故かしら多いんですけれども。
ご参考までに、都内で見つけた地方特産品ショップ 「せとうち旬彩館」はここです。
http://www.setouchi-shunsaikan.com
夢路とみこ
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