[181]銘醸街道城巡り(5)

フランスには古城がいっぱいあって、現在も城として城主が住んでいるものもあれば、カーブを一般公開するシャトーワイナリー、美術館やゴルフ場やヘリポートがついているホテルに改築されているものもあるけれど、古城をリセ(高校)に改築したお城ってそうそうあるかしら。ブルゴーニュにはある。普段は高校として使用しているから一般公開されるのは夏休みである7月中旬から8月中旬までのみ。城ファンはこの機会を狙ってディジョンまで起こし下さい、貴方の知らない「古城見学」が出来ますから。そのシャトー、ステファン・リエジェアール・ド・ブロション城は銘醸街道沿い、ブロアション村の中央、畑の中でバス停のそばにあるので便利。


ここはガイド付き見学で午後からなのでお勧めはディジョンから1時間毎に出るジュヴレイ・シャンベルタン行きのバスで終点まで行く事。この村の素晴らしいワインを試飲したり日曜日でもやっているカフェで軽食を取るか、私のようにお弁当持参で勝手に畑の見えるところに座り込みピクニックをするか。ジュヴレイからブロアションまでだいたい4,5キロだからぶらりぶらりと歩いていも1時間もあれば十分のはず。銘醸街道のワインを飲む機会は日本でもあるでしょうけれど、畑を散歩するなんてそうそうないわよ。
さて、このお城、城主のステファン・リエジェアールは南仏の「コートダジュール」の名付け親の詩人です。お城そのものは1900年に建設され二つの大きな大戦、そしてドイツ軍によるフランス占領下の中も生き延びて昔ながらの美しさを今に伝えます。面白いのは建築様式。ロワールの古城を意識したらしく、ところどころロワールなんですが、バロックとネオクラシック、シャンボールやシュヴェルニー、アルゼーリドーなど美味しいところを掻き集めすぎて均等感にちょっと欠けるかな。びっくりしたのは城主とその妻のそれぞれの寝室には簡易ベッドとロッカーが配置されていていかにも学生寮ののり。ちょっと笑える。やっぱり高校だわ。そしてこの城見学の最大の魅力はガイドの男性。舞台俳優志望なのか声も大きいけど、説明がお芝居のように情感たっぷりで、こんなガイド見た事ない。でも素敵。
Chateau Stephen Liegeard de Brochon
http://www.ot-gevreychambertin.fr/visites/CHATEAUbrochon.htm
夢路とみこ
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