[195]コ・ロカシオン(2)

恋人でもない異性との共同生活に抵抗があるか、というとそうでもない。私達の場合、抵抗もなければ危険もない。同棲だったらやっぱりいつも身支度を綺麗にして捨てられないように努力しなければならないのでしょうが、私は引っ越した当初からすっぴん顔を見せ、大食漢の大酒呑み、朝帰りも何度かしたので隠す所がない。
彼の15年間に及ぶ歴代共同生活相手は全て女性。日本人女性も多く、そのプロフィールも様々。入居した日には、過去の入居者の日本人女性が遊びに来ていてその暮らし振りなどを聞かせてもらった。たまたま私の入居先が良かったというかもしれない。中には語学交換と証して日本人を食べ漁る男性も多いのは事実だし、コ・ロカシオンでレイプというケースも少なくはないらしい。しかし、これらが全て男性側に非があるかというと、そうでもない。私が昔いたアメリカでは「イエロー・キャブ」と言葉が流行してたくらいだから。喧嘩両成敗であるように、男女の性的関係においてどちらかの非を追求するのは難しい。


男女を問わず共同生活の最大限のルールとして「お互いの生活に干渉しない」というのがあります。これは特にモラルについて言えるかも。これは同棲でも、結婚でもないのだから、個々のモラル規準を相手に押し付けるのはご法度。私は彼の女性関係の話をいつも聞かされますが、決して口出しはしないようにしています。また彼に「大食漢の大酒呑み」を注意されダイエットを強要されると「自分の健康と収入は自分で管理するから放っといて!」とピシャリ。
コ・ロカシオンをする事に決めてネット検索やパリの日本語新聞の「貸し部屋」情報を中心に様々な物件を見た。びっくりしたのはフランス人女性の御宅の露天商のような乱雑さ。もちろんこれが仏人女性全ての姿ではないが、でも、どうしたらこんなに散らかせるの?貸し部屋拝見の日なのに掃除しないの?と何度も心の中で疑問がこだました。同棲とは違う、異性との共同生活の利点のひとつは抵抗なしにギブ・アンド・テイクを明確に出来るところにあると思う。比率はどうあれ、こちらも払っているのだから快適な生活を要求する権利があるということかな。
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夢路とみこ
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