ブルゴーニュ=ワイン、ディジョンを出るとすぐに葡萄畑が広がるというのは嘘ではありません。でもブルゴーニュはそれだけではないんです。確かにワインの方が有名ですが、白牛のシャロレーだってブルゴーニュの特産品。ディジョンから3つ星シェフのロワゾー氏のいるソーリューに向かうとモルヴァン地域へと抜けます。そこは葡萄畑ではなく緑の丘陵地帯に白いシャロレーが放牧されて美しい緑と白のコントラストが楽しめます。谷間に広がる小さな村落など銘醸街道とは違った景色が広がります。
そのモルヴァンにあるSemur-en-Auxoisは絶景を持つ観光地です。時々日本のガイド本にも景観写真が掲載されますがほんの一部。画家や写真家にとても受ける村です。中心地にある教会のステンドグラスはワイン醸造家や鍛冶屋のギルド、第2次世界大戦時の米軍上陸の様子がモチーフとなっていて一般のステンドグラスとは一味違います。
教会の脇を降りて行くと川に出ます。その川から見上げる古城、ローマ水道橋の2ヶ所が絶景ポイントです。中世のなごりがとても良く出ています。ブルゴーニュはシーザーのガリア戦記の舞台になった地方なのでローマ建築の影響は田舎にたくさん残されています。また、洗濯船もあるので見逃さない様に。現在は使用していませんが昔の井戸端会議の声が聞こえそうなくらい原形を留めています。
この町を訪れる最高の時期は5月下旬でしょうか。特に指輪のレースで有名な「中世祭り」がある5月4週目の週末です。祭りの週末、地元民はみんな中世の恰好をして様々な催し物で観光客を迎えてくれます。町そのものが中世みたいだからその恰好が本当にサマになる。甲冑を着た騎士もいれば、乞食もいます。私のお目当ては中世の装飾品をモチーフにしたアクセサリーの露天商。
この町を訪れたら、教会側にある「牛の糞で絵を書く画家」のアトリエ件ブティークを覗いて下さい。糞を溶かして絵具に混ぜて水彩画にしているようです。もちろん臭いません、絵もとても可愛いものがあります。ポストカードもあるので恰好のお土産になるのではないでしょうか。
この町に行くにはディジョン駅裏のバスターミナルで49番Avallon行きTRANSCOに乗車。乗車の際にドライバーにスミュール・アン・オーソワ行きを告げて切符を購入。目的地に着いたらそこから中心地に向かって歩く事5分。行きは午後12時半帰り午後6時半、片道90分。
20号でご紹介したジョルジュ・デュ・ブフ博物館サイト
http://www.hameauenbeaujolais.com
夢路とみこ