[090]アルカッション

ボルドーから電車で南に50分ほど行くとアルカッションという湾岸の町があります。ジロンド入江にあるポワント・ド・グラーヴからバイヨンヌに続く長い海岸沿いをラ・コート・ダルジャン(銀色海岸)と呼びます。アルカッションはこの海岸沿いに出来たアルカッション湾の町。牡蠣の養殖が盛んな町です。
牡蠣と言えばこちらではノルマンディー産の細長いのやマレンヌと呼ばれる少し丸い形をした牡蠣は良く見かけるし、食べます。でもアルカッションの牡蠣は食べたことがないのでただその理由だけでこの町を訪問。感想は、ノルマンディーの高級リゾートをうーんと小さくした感じです。もっと庶民的というか中級リゾートというべきか。多分夏になるとフランス各地からフランス人が避暑に来るところで、アメリカ人や日本人がバスで押し寄せるようなそんな華やかなところではなさそう。
駅からCentre中心街と書いてある標識をみながらこじゃれた商店街やブラッスリーを抜けて行くこと15分、アルカッション湾に出ます。とても大きいので一見海のよう。たくさんのヨットが浮かんでいて頭にすぐ浮かんだのが森山良子の「この広い野原いっぱい」という名曲の歌詞の一節。「この広い海いっぱい咲く船を。。。。」のあの部分。あの歌を大声で歌いたくなる気分にさせるくらいにその歌詞どうりの光景が目の前に両眼に入りきれないくらい広がります。


ここは観光地と呼べるほどのところではないのでボルドーから日帰りが良いでしょう。とにかくゆっくりと海でも眺めながらボケーとしたい人向けです。私も2 時間ボケーと人が歩くのとヨットの数を数えて過ごしました。鳥取砂丘かサハラ砂漠のミニチュアを感じさせる砂場が続いています。貝殻で作ったフランス人形のお土産もお洒落です。
アルカッションに来て牡蠣を食べないのはボルドーに来てワインを飲まないほどに悲しいこと。ブラッスリーなら安くシーフード盛り合わせが食べれますのでどうぞ。一人前からも注文できますが、大食漢のフランス人向け一人前はシーフードと言えども日本人には多分2人前でしょう。
さて、アルカッションの牡蠣に何を飲むか。牡蠣と言えばシャブリと言われますが、シャブリはブルゴーニュの白。大阪で東京名物もんじゃを注文するようなもの。ボルドーのお膝元にいるのだからボルドーの白、私はGravesグラーヴの白を飲みました。こちらは辛口です。やや甘味を好まれるならEntre  Deux Mersアントル・デュ・メールが良いでしょう。
夢路とみこ