パリのRue Sainte Anne サンタンヌ通りは和食は当然ながら、アジア料理の激戦地。最近はお寿司も中国人経営の店が増えてきたから、ちょっと間違えると付け合せのお味噌汁にマッシュルームが浮かぶ店で食事をすることになりえない。表に掲示される料金表で日本人経営か外国人経営かを判断して入るようにしています。
ジャーナリストの友人の取材のお供でとある店に食事に出かけた。というよりもご招待に預かった。オーナーはまさか私のような大食漢で大酒飲みが来るとは想像もしなかったことでしょう。計算外の人物だったはず。この店はパリで一番古い、歴史のある店らしい。去年からオーナーチェンジがあって、現在のオーナーがドイツでの経験を頼りに激戦地パリに乗り込んできたらしい。
私が行った日は土曜日。だからお店はほぼ満席。日本人よりもフランス人や外国人で埋まる。もちろん和食がこの国で定着しているのもそうだけど、メニューにバラエティがあるのと、斬新なものがあるのが惹きつけるのだろうか。バラエティーを言うと、新橋の居酒屋メニューから人形町の料亭鍋物までと幅がある。一軒でサラリーマンから政治家まで味の体験が出きるのがおもしろい。そんな店、この界隈で他にあったかな?
斬新さについて言うならば、食べなかったけど「フォアグラ寿司」どんなのだろう。虜になったのは、あの味を思い出すだけでもよだれが止まらないのが「まぐろかつ」。フランス人がマグロを調理するといつもステーキで火が通り過ぎ、フランス料理お約束のソースで食べるからかなりどってりとしたマグロ料理が一般的。でも、ここではとんかつと並んでまぐろかつがある。これはイケル。程よく火が通ったホクホクのマグロを包むのは、サクサクとした衣。フランスの一般家庭は電気コンロだからここまでサクサクは出来ない。それをマスタードとトンカツソースで食べる。もう書いているだけでお腹がグー。
でも、お料理の美味しさを深めるのは、従業員の方々の美しい日本語。まるで料亭で食事しているみたい。美しい言葉が美味しい料理を彩る。日本語を学ぶ外国人には、このような店の食事で日本語の美しさに触れてもらいたい。そして、また私たちのような海外在住者はこのような場所で自分の言葉の乱れを反省しなければ。
日本料理 たから
14 rue Moliere 75001
01 42 96 08 38
定休日 月曜日と日曜日の昼
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