[168]頑張れインターン!

留学と違った体験をするインターンは参加費を払えば誰でも希望の場所へ派遣されるという事はありません。無給の研修なのに受け入れ先企業が「この人なら引き受けます」と言わない限り不可能。審査が通るまでに語学や適正のチェックがありやっぱり壁は厚い。どんなに語学が出来てもその国で頑張ってみたいと意思があっても審査の合否を大きく左右するのが「就労経験」。だから派遣されてくる研修生は社会人として一応のマナーとセミプロ意識を持ってやって来ます。でもそれが出来ないと研修とは言えども無給の1年は辛い。
フランスの労働許可証の取得がいかに難しいかは身をもって体験した。実力があればなんとかなるというのは高失業率のこの国では御伽噺。外国人は外国人。守らなければならないのは自国民の就職先。語学留学から就職というラッキーな話はなかなか無く、辛うじてインターン研修の後に就職という可能性が僅かにあるかないか。それでも研修生は僅かな望みを持ち、自らの貯金を頼りにスポンジの様に吸収し、経験を積む。研修の終わりには一回り大きな人となって更なるキャリアに向かってのステップを踏む。

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[163]フランスの光と影

「隣の芝生は青い」とは良く言ったもんだ!と毎日暮らしながらそう思います。不完全燃焼なのは、客観的に自分を凝視出来ないことにあるのを分からずに虹の向こうばかり見てきたから。虹の向こうの憧れは、厳しい現実となり襲い掛かってくる。青かったはずの芝生は踏み込んだら同じ色だった。
日本へ帰る度にフランスファンに会う。フランスが大好きだと言う。フランスに住みたいと言う。フランスで働きたいとも。私もフランスファン、フランスが大好き、フランスに住んで働いている。でもここは海の向こうにいる人たちにブラウン管や誌面を通しただけでは伝えきれない物語がたくさんある。のんびりとした美しい田園風景の裏には都会の混沌とした情景があり、ワインで鼻を赤く染めた人の良いおじさんの笑顔と同じ土地に外国人を蔑視する人も暮らす。

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