最近、伝統的なパリ風ブラッスリーに行く事に凝っている私。本来、花より団子なのですが、インテリアも好きで、特に伝統的な建築様式が気に入っています。ナチによるパリ占領下の時代にここはランスやルーアンのような大空襲がなかったので、昔が今もここに。それはまるで京都が守られていたように。
ここは古いものが沢山残っていていつの時代にいるのか分からなくなってしまうことや、時代劇の背景探しには事欠かないと思います。それはテレビドラマの時代背景で戦後直後の大衆食堂のシーンなんかを見ていると、あれ~これってあそこのブラッスリーだよね、俳優の人の服装やメイクは50年代、60年代しているけれどお店の雰囲気とかギャルソンの様子とか、今でもあるよそれって、という感じの店がパリには幾つもあります。
また反対にモダンな建築、コルビジェやライトも好きで、パリにはこのようなモダン建築のレストランやカフェもありますが、それは青山や麻布のようなものでそんなに頻繁に見に行きたいとは思いません。パリの人にはその新しさが受けているけれど、やはり私としてはパリにいるのだから日本であまり見かけることのない伝統的な店のほうが気になるわ。
この店、Chartierシャルティエがある場所はパリ9区、メトロGrands Boulevardsから降りてすぐです。この付近は劇場が多く、それでも超一流と言われるオペラ座やシャンゼリゼ、シャトレ劇場ではなく、どちらかというともっと庶民派、お試しコースなカジュアルな劇場という事もあり、パリの「オフ・ブロードウェイ」と呼ばれているようです。
そのように呼ばれるだけあってとにかくある意味の不夜城。この付近のレストランやバーは夜中でも温かい食事が出来ます。ですからシャルティエも遅くまでやっているし、またお芝居を見る前と見た後の顧客を迎えるためにここでは夕食の時間は6時営業です。そして予約不可なので7時を過ぎると並ぶことを覚悟すべき。
先日この時間帯を逃したらこの店の上席であるRDZ レッドショッセ(日本の1階)のフロアに席が取れなかった。この店に来たら下の席を狙うべし!6時からの営業と走らず入店した時はもう1階(日本の2階)しかなく、上へ行ったもののやっぱり下のほうが良かった。上も下もテーブル同士がかなりくっついていて、また個々は相席をさせるので同じテーブルに見知らぬ人が座ることもよくあること。
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夢路とみこ
[331]ムーリスでお茶(2)
雰囲気と言えばそれを醸し出すこのサロンの内装について触れると、まず天井にはこのレストランの名前、ダリ、芸術家ダリを冠にしているだけあってそれっぽい絵が描かれているのと、クラシックとモダンな家具がうまく調和しているところになんとなくダリかな、いや、私はダリの芸術をあまり知らないからこれが「ダリ風」と言われたら納得するはず。
ここの椅子は、良く聞く「ナポレオン風」というのがあり椅子の脚の先が猫のようになっている。これはナポレオンがエジプトを好んでいて、エジプトのスフィンクスやアフリカのサファリをイメージさせる動物類を好んでいたことに由来すると聞いたことがあります。とすると、椅子のひとつにシマウマみたいなものもあるのですが、これももしかしてナポレオン?モダンなデザインだとも思うのですが。
そして、見逃しえてならないのは、脚がハイヒールの形になっているもの。金ピカのメタリックな椅子でハイヒールとはちょっと別の世界をイメージします。またカントリー風をイメージしているのかロッキングチェアーもありました。
シックなマダムのアフタヌーン・ティーからマニッシュなスーツ姿のビジネスマンの打ち合わせなどを見かけます。日本の高級ホテルの場合、サロン・ド・テがロビーの近くにあってざわざわしていることが多いですが、こちらはフロントを経てさらに奥なのでゆったり、まったりの時間が楽しめます。紅茶は12ユーロから、そこら辺のおやじカフェなら5ユーロですが、場所、雰囲気そして使っている紅茶の葉も数段違うから仕方がない。
こんな贅沢な場所でのものですから、デザートも少々高いのですが、これも場所、雰囲気代ということかしら。そして紅茶の濃さも丁度良い、更にここが絶対におやじカフェと違うのは洗練されたスマートなギャルソンが注いでくれること。眺めているだけでも絵になるし、写真にきれいに納まる。それにパリ・コレのファッション・ウィークなら雑誌の切り抜きみたいな人がこの辺をうろうろしています。夢のよう。
料金が少々高いけど、ここのお料理、ランチにしてもデザートにしてもヤニック・アレノ氏の総指揮だから芸術性のあるものが期待できますぞ。今度はランチに行ってみたいと思います。たまにゆくならこんな店という一軒です
ホテル・ムーリスのレストラン ダリ
http://www.lemeurice.com/restaurant-le-dali
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