[293]生活の知恵その1

久々の一人暮らしもそろそろ2ヶ月が過ぎ周辺の事やパリでの一人暮らしのコストについて分かりだしてきました。収入はディジョンにいた頃の給料の半分に減っているのに生活費は家賃の倍近くから始まっていろいろとお金が掛かるということが今更ながらに分かる。しかしやっぱりパリに来て良かったと思う点がたくさんあるのでここを離れる事は出来ない。でも、今の収入ではとにかくアップアップなので何とかせねばと思う日々この頃。無い知恵を振り絞って生活費を有効に使わないと、特に私は交際費が多いものですから。

光熱費を押さえるためにキャンドルを使用している事は以前にも書きましたが、これからの季節、いや既に6階は屋根裏に住む私のところは冬のように寒くなりつつあります。で、暖房費を押さえるために考えたのが、毛布と寝袋の寝具。羽根布団は日本よりうんと安く買えるけどでもやはりそれなりの値段。だから大き目の毛布を買ってそれを寝袋のように折りたたんで中に入ると結構温かい、それ程寒くない夜はそのまま寝袋の中に寝てますが、これが結構温かくってぐっすり寝れるんです。うちの寝袋、細長いタイプで10ユーロ程度。

寒くなるとシャワーを浴びるのがおっくうになります。だって冷たいんだも~ん。日本のような湯船がないからすぐに体が冷える。で、買ったのが大きめの洗面器。シャワーの下に置いてシャワーからこぼれるお湯がたまったのをかぶるとかなり体が温まります。まるで湯上りのぽかぽか感がそのまま保てる感じです。洗面器、4ユーロ。

私の住むゴブランはバスが豊富でバスで5分から10分のところに大きな朝市が土日と立ちます。朝市で量販のお店はバスケットに入った野菜や果物、ちょっと傷物を3キロから5キロ単位でそれを5ユーロ程度で売っている店もあります。傷物でも新鮮だから翌週まで十分持ちます。肉屋では私の大好きな生ハム、チーズ屋では切り端が持ってけ泥棒価格。これらを上手く組み合わせて料理するとそれなりの一品、スープの作りおきには最高!

後はモンパルナスのような大きな駅の中にある売店ショッピング。メーカーのシャンプーや石鹸、ストッキングや靴下が卸価格。消耗品だからこそコストを押さえたいので足げに通います。最近はレッグウォーマーを腕に着けていますが、これが袖代わりで温かい。長袖が嫌いで動き難いと感じる私にとって半そでの下のこれは仕事の効率を上げる強い見方。

夢路とみこ

[194]コ・ロカシオン(1)

私の海外生活の中で一番長く、5年半も住んだディジョンを離れようと思ったのは仕事に限界を感じたから。米国企業での勤務の厳しさは自分でも十分に分かっているつもりだったけど、一連の飛行機事故や疫病など渡航者の数が激減する事情が続き会社の期待する成績が出せず、また、私が思うような市場開拓に上司の了解が中々得れず、ビジネス文化の差に圧迫され、とうとう堪忍袋の緒が切れた。結局、会社からは自主退職を促され、精神的にもかなり参っていたので契約条件を盾に戦う事もなく辞めた。ずっと頭の中を過ぎっていた帰国、日本での再出発をするには良い機会かもしれないと思った。
帰国すると決めたら、シラク大統領と同じ射手座の私、すぐ行動に移る。まずはネットで帰国後の住居探し。家なき子の私にとって住居は大問題。アパートを借りるにも保証人とか、敷金、礼金、家具の買い揃えなどと問題は山積み。落ち込んで帰国するのにそんな更なる圧迫には耐えられない、だから「ルームシェア」を思いついた。学生の時も海外赴任の時も何度かアパートを一緒に借りて共同生活した経験があったので。毎日ネットで検索し、帰国後の東京での楽しい生活を想像するだけで不安が少しづつ和らげられて元気になって来た。

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