ペリゴール地方にあるロカマドゥールという村は山の頂上の岩肌を利用して町が形成されています。その名前の通り「岩を愛する人」でないとこんな所に町なんかつくらないわよ、と思ったりもしました。周辺には十分に土地があるのに何でまたこんな高いところに建てたの?外部からの侵略を恐れて高いところに町を築くというのなら別に岩肌を彫らなくても、岩の上に建てれば良いのに。ここはまるで皮膚の一部のように岩と建物が繋がっている。プロヴァンス地方にある鷲ノ巣村とはまた違った意味での高山都市、とても見応えがある。フォトジェニックな景観。
この村の中心地には大きな教会があり、その昔ここで数百年も経たミイラが見つかりその奇蹟とも呼べる保存状態に多くの人が畏れ、ここを巡礼したという。巡礼者リストの中にはフランス諸国の王や領主がいるけれどなんとルイ9世、後に聖人になったサン・ルイまでいた。それも2回も来てる。この教会の裏には長い坂があり、エルサレムにあるキリスト受難の坂に準えたコースとなっていて13箇所にキリストの最後を語る模型があります。とても長い坂なので疲れますが今日でも多くの人が登っています。(もちろん下ってもバチは当たりません。)それは巡礼の人もいたりそこからの絶景を楽しむ私のような観光客もいます。ベビーカーを押しながらはぁはぁと息を切らす地元住民も。いずれにせよ、この澄んだ空気で見も心も清められることでしょう。
[086]葡萄の木まつり
今年は異常な暑さのため例年よりもヴァンダンジュ(葡萄の摘み取り)が2週間以上も早まったけどその収穫量はかなり厳しいもののようです。暑かったから出来は良いものの暑すぎて腐って使えなくなったものも多くこの年のワインの値段が将来高騰するのが今から見えるよう。そんなワインの将来の価格の心配をするのは先々にして今は収穫を素直に喜び、そしてその恩恵にあやかりたい、ワイン祭りにて。
ディジョンは8月の第4週目になるとFetes de Vignes葡萄の木祭りなるものがあります。毎晩広場やどこかの劇場で外国民族の踊りやショー、ディナーショー、コンサートが繰り広げられます。町挙げての1大イベンイベント。飲めや歌えや踊れやっていう感じで私なんておちおち会社のデスクで書類の山と格闘している場合ではないとさっさと仕事を切り上げる。残業が趣味と思われている私が定時前に机を片付けだすのを見て同僚は「おデート?」と聞いてくれるのではなく「ワイン祭り?」と私をアル中のパーティアニマルのように言う。全く当たっていない訳でもないから素直に「うん」と返事をして退社。町へ繰り出す。