仏語でMange Tout(マンジュ・トゥ)とは全部食べれる。という名前のさやえんどうのようなお豆のこと。ディジョンのRue Monge、モンジュ通りにこの言葉をもじったバーがあります。店の名は、Mange Tout(マンジェ・トゥ)ならずのMonge Tout(モンジェ・トゥ)。
この店はバーだから様々なメニューというのはありません。店内は常連のおやじが集まって井戸端会議をやっているから女性の一人旅ではちょっと入り難い気もしますが、そこは勇気を振り絞って堂々と入ってください。
毎日ランチタイムから閉店時間までPlat du Jour(プラ・ド・ジュール、本日の1品)が食べられます。7.50ユーロで1/4dlのワイン付き。有名なワイン産地、ここブルゴーニュにいるのに料金が安いせいか南仏の安いワインが出ます。ワインは正直なところあまり美味しくありません。むしろビールの方が美味しそうなのが幾つかあり、Bier d’Abbey(ビエール・ダベイ、修道院のビール)でも注文した方が賢明かも。
この値段だし、このワインだからあんまり美味しい物が出ないのでは?と最初は私も不安に思っていました。ところがどっこい、さすが美食の都ディジョン、私をそう簡単には裏切らない。日本でもフランスでも常連オヤジがたむろする店は安くて美味い。
[042]ボーヌのパンとチーズとワインの祭り
ヴァンダンジュが終わり本格的にワインの季節になるとくいしいんぼうの私は落ち着いて仕事が出来なくなります。観光業という仕事柄、年中ガイドブックを読み、観光資料を検討しているのですが、この季節となると食べ物関係のお祭りや観光情報が目立ちお腹がグーグーです。
10月の第3週目の週末は掲題の祭りがあり既に2回ほど行きましたが美味しい、楽しい、そしてお勉強にもなりました。今年は残念ながら船の仕事があり見送りましたが。この祭りはボーヌにある観光学校が地元のパン屋、そしてフランス各地のチーズ、ワイン生産者の協力を得て開催されます。パンとチーズとワインというシンプルですがとても内容の濃いお祭りです。
10ユーロでワイングラスを入場券替わりに買います。ワインを試飲しながらチーズやパンを試食して巡回するのですがとにかく数が多くて全部まわると酔ってしまいます。生産者の方々は販売もそうですが何よりも自分の所のワインやチーズを紹介したいらしく熱っぽく生産の苦労話をしてくれたりと積極的です。私もこの祭りで何十種類ものチーズやワインを味わいました。