北ブルゴーニュは、葡萄畑一面のコート・ドールや南ブルゴーニュとは違った景観を持つ、この地を更に惚れ直し、益々好きになる。フランス各地を旅したけれど、一つの地方でこれほどにも様々な景観と自然の豊かさに恵まれる地方はそうそうあるのだろうかと何度も心の中で呟く。それ程までにこのブルゴーニュは訪れる人の心を鷲づかみにする。
北ブルゴーニュを代表する都市オーセールは、町の中央に聳えるサンテティエンヌ大聖堂を見上げるように広がる美しい港が広がります。近くには銘醸街道のスタート地点、ブルゴーニュ白ワインの代表格のひとつ、シャブリ村があり、これはこの地方を代表する白ワインのひとつだからオーセールの位置が分からなくてもこの村で想像がつくかもしれませんね。
私も最近まで全く知らなかったのですが、このオーセールで何と「トリュフ狩り」が出来るんです。トリュフと言えば「ペリゴール」「プロヴァンス」とばかり思っていたので、ブルゴーニュトリュフの事はちらりと聞いていたけれど、その違いすら全く知りませんでした。でも、黒いダイヤは存在した!
[184]南ブルゴーニュの休日(1)
ブルゴーニュ地方第二の都市マコンはソーヌ川に掛かる美しい石橋のライトアップがとてもロマンチックで絵葉書でも良く紹介されている所です。実はこの橋、第二次世界大戦の時にドイツ軍に破壊されたのを後に復元したものです。この橋の先はレジスタンス活動の盛んな町、リヨン。パリのレジスタンスとリヨンの活動家達の往来には欠かせない大事な橋であり、またこの橋を渡って多くのユダヤ人や共産主義者がアルプスを経由してスイスに逃れたとも聞いています。それ故に格好の爆撃対象に選ばれたのでしょうが。前の会社の船はソーヌ川を良くクルーズしていたのでマコンで停泊する夜はこのロマンチックな橋の光景にうっとりとしたものです。そして市内にある観光名所で中世に建設されたMaison deBoisという美しい建物の下にあるカフェへお客様が寝静まった後、クルー達とともに「一杯ひっかけ」に行ったものです。