[807]炭酸ガス

2013年5月25日

炭酸ガスは別名二酸化炭素ともいいます。炭素が酸化して(燃えて)気体になったものです。最初に発見したのはガスさんという人。それにちなんで以後気体のことをガスというようになりましたが、元を正せば炭酸ガスをガスというのがルーツだったのです。

一酸化炭素は不安定ですが、二酸化炭素は非常に安定した物質です。一般的に気をつけなければならないのは一酸化炭素のほうです。無味無臭の気体ですが毒性が高く、中毒すれば脳細胞が破壊されて命はありません。二酸化炭素は空気中に元々0.03%ほど含まれていて毒性はありませんが、これも含まれる量が多くなれば人体に害を及ぼします。

ちなみに二酸化炭素の含有2%では無意識に呼吸が深くなります。3%で作業性低下、生理機能が変化し血圧、心拍数等の変化が現れます。5%で呼吸が極度に困難になり、重度のあえぎが起こり多くの人が30分で中毒症状になります。10%で身体の調整機能不能となり約10分で意識不明。25%で呼吸低下、血圧低下、昏睡状態になりそのまま放置すれば数時間後には死に至るとされます。

このように二酸化炭素とはいえ、侮れないものがあります。冬場の暖房で燃焼タイプのものは「換気に気をつけましょう」というのは嘘ではないのです。

さて、二酸化炭素は常温では気体ですが、冷却圧縮すると液体になります。このときの温度は-20℃。さらに圧縮すると固体になります。固体になった二酸化炭素がドライアイスです。このときの温度は約-80℃です。