[899]エチゼンクラゲ
去年も大発生したエチゼンクラゲが今年もまた発生しているようです。クラゲの中では最大級のエチゼンクラゲは傘の直径が1mを越すものもあり、こんなに大きくなるのはエチゼンクラゲしかありません。世界最大のクラゲなのです。クラゲは漢字では「水母」もしくは「海月」と書きますが、なんとなく納得できますね。英語では「Jellyfish」。ゼリー状の魚といわれれば、そのとおりかもしれません。
エチゼンとは福井県の越前をいいますが、日本海や東シナ海に生息し、中華料理の食材としてもおなじみです。しかし中華料理では高級食材なのに、原価は安いため漁師は嫌がって獲りません。今回のように大発生しても高価で売れれば商売になるのですが。ちなみに食用となるクラゲの部位では傘の部分が高級で足の部分はそれよりも安価。
中華料理で使われるクラゲはエチゼンクラゲのほかビゼンクラゲ、スナイロクラゲがあります。ビゼンクラゲとスナイロクラゲは似ているため同じ種類ではないかと言われています。ビゼンクラゲはエチゼンクラゲほど大きくなく、傘の直径は大きくても50cmくらい。岡山県の備前で良く取れたためビゼンクラゲの名前が付いたようです。
クラゲは刺胞という細胞が特徴で、これに触れるとトゲがバネ仕掛けのように飛び出してきて刺さります。トゲには毒があることが多く、これで獲物を仕留めたり外敵から身を守ったりするわけです。刺胞をもつ仲間としては、サンゴやイソギンチャクなどがいます。エチゼンクラゲにももちろん刺胞があり刺されると痛いです。ただし毒性はそれほど強くないので刺されても心配はありません。