[144]未払い賃金の立替払い
会社が急に倒産してしまった。前から危ない予感がしていたが、こんなに急にとは・・。今までの給料はどうなるのであろうか。支払ってもらえるのだろうか?
会社が倒産した場合、再建するのか、それとも清算するのか、で話が違ってきます。再建する場合は、労働者は労働組合を通じて再建計画を綿密にチェックし今までの給料はどうなるのか、リストラは行なわれるのかなど、労働者側に利益を守るよう交渉を行なっていく必要があります。
清算の道を選んだ場合は、未払いの賃金や退職金などの労働債権を確保する必要があります。労働組合を経て弁護士を立て、会社経営者や管財人との連絡を密にとって交渉します。
未払い賃金や退職金などの労働債権は民法や商法で一般債権より優先的に支払われる先取特権として認められています。しかし何もしなくても支払われる、というものでもありませんので、常に交渉を行なっていくことが必要です。
未払いの賃金があった場合、国がその一部を立替えて支払う制度(賃金の支払の確保等に関する法律)があります。これを未払賃金の立替払いといいます。
未払賃金の立替払い
【要件】
1.会社が一年以上事業活動を行なっていたこと
2.倒産し清算処理になっていること
法的整理:破産、特別清算、民事再生、会社更生など
任意整理:労働基準監督署長の認定が必要
3.労働者が、倒産の申し立てがあった日(法的整理)、もしくは労働基準監督署長への認定申請(任意整理)をした日の6ヶ月前から2年間の間に退職していること
【限度額】
賃金の支払の確保等に関する法律施行令に基づく限度額
退職の時期 未払賃金の限度額 立替払の上限額
(平成14年1月1日以降)
退職労働者の退職日における年齢 未払賃金の限度額 立替払の上限額
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45歳以上・・・370万円・・・・・・・296万円
・・・・・・・・・・・30歳以上45歳未満・・・220万円・・・・・・・176万円
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30歳未満・・・110万円・・・・・・・88万円
(詳しいお問合せは最寄りの労働基準監督署まで)