[013]一時帰休

2012年10月12日

 

不景気により会社は一時的に事業を休むことがあります。そのような時でも後日稼動する時の為に労働者は確保しておかなくてはなりません。このような時は労働者は休職となりますがこれを「一時帰休」といいます。
 
現在の法律ではなかなか解雇はできないので、一時帰休は望ましいことではありませんが違法ではありません。ということで労務費のコントロールには有用な手段といえます。
 
一時帰休は会社の都合ですから、会社は労働者に対し賃金の一部を保証しなくてはなりません。法律ではこれを通常賃金の60%を保証するように定めています。(労働基準法第26条)
 
一時帰休中のアルバイトは通常は認められます。就業規則のほとんどは兼業を禁止していますが一時帰休は会社都合ですから生活のためのアルバイトはやむをえないところでしょう。
 
事業を休んでいるのに、60%とはいえ会社にとってこの支払いは辛いものがあります。そのような時は公共職業安定所に対し雇用調整助成金の申請をすることができます。(雇用保険法第62条、雇用保険法施行規則第102条の3)
 
雇用調整助成金は、次のような処置を行った事業主に対して支給される助成金です。
 
1) 休業して、従業員に休業手当を支払った場合
2) 従業員の教育訓練を行って通常の賃金とおおむね同じ額の賃金を支払った場合
3) 従業員を出向させて、出向前とおおむね同じ額の賃金を支払った場合
 
雇用調整助成金は、休業手当及び教育訓練や出向に対して支払う賃金負担額の一部を助成するもので、失業の予防を目的として設けられた制度です。
 
参考:労働基準法第26条