[136]副業禁止規定
会社には就業規則というものがあり、その中で副業を禁止する規定が盛り込まれているのが普通です。ワークシェアリングなどの影響で仕事が少なくなり賃金が削減され残業もままならない昨今、生活のために副業をする人は多くなってきています。
しかし前記のように就業規則に副業の禁止規定があれば、それを盾に解雇ということもありえるため会社には内緒で副業を行なう、あるいは怖くてできないという事態に陥ることもありましょう。
本来、副業禁止の規定は労働基準法などの法律で定められたものではなく、あくまで就業規則で謳った会社独自のルール。むしろ憲法で保障された就業の自由を侵すものであるともいえます。
就業規則は原則として就業時のルールを定めたものですから、休日や退社後の行動まで拘束する効力は元々ありません。しかし、副業が原因で会社に損害を与えることが明確な場合は会社は副業を禁止することができ、その禁止は有効であるという過去の判例もあるのでうかつなことはできません。
副業禁止が有効だとされる例:
・副業のために遅刻や欠勤が多くなったと判断される場合・競合する他社でのアルバイトは会社の利益が損なわれると判断される・会社固有の技術やノウハウが漏洩されると判断される場合・会社の名前や名刺を使って副業を行なう場合・違法な仕事をして会社の品位を落とす惧れがある場合(違法ではありませんが、風俗関連、マルチビジネスはやめといたほうが無難)
競合する他企業への副業はまだしも、大きなお世話的な理由も多いのが現実。このあたり今後のまともな判例を待ちたいところです。
副業を禁止していても、通常は許可を受ければ副業は可能とされるので、遠慮せずに副業申請をしてみましょう。それでもなお会社に内緒で副業をしたい人は、住民税や市民税を普通徴収にして自分で払うようにします。会社で天引きにしておくとその金額から経理にばれてしまうので注意しましょう。
なお、育児休業給付を受けている育児休業中に他社でアルバイトをすると不正受給となる場合があるので確認しておいた方が良いと思います。
日立製作所やサンヨー電機など、今後は副業禁止規定を廃止し、副業を認める会社が製造業を中心に増えていくと思われます。そもそも副業のできる人は臨機応変になんでもできる能力を持った人です。そういう人こそ企業には必要なはず。副業もできないような人間は会社には要らない時代となっています。もう少しの辛抱でしょうか。
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