[278]読者Q&A『就業制限により休業したときの賃金や休業手当』
■読者からの質問
飲食店で働いていた時に検便でサルモネラ菌が出てしまい(症状は出てないので健康保菌者)2ヶ月出勤停止になりました。会社には有給を使えと言われました。退職時に使おうと思っていた有給が無くなり退職した今でも悔しいです。全額払ってもらおうとは思ってませんが賃金の半分なりもらえなかったのでしょうか?
■たまごやの回答
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
『就業制限により休業したときの賃金や休業手当』
ご質問の内容を拝見するに、飲食関係で検便を行っていることや、就業制限を行っていることから、かなりしっかりした職場と思います。
飲食に携わる会社は、食品従事者の健康についてきちんと管理しなければなりません。特に腸管系病原菌保菌者については厳しく管理する必要があります。
定期的に保菌検査を行い、その結果を受けて対処します。
保菌者が発見された場合、法的に就業制限(出勤停止)させる感染症種類が厚生労働省令により決められております。
サルモネラ菌は三類感染症に該当します。
・パラチフス病原体
パラチフスA菌(Salmonella serovar Paratyphi A)
・腸チフス病原体
チフス菌(Salmonella serovar Typhi)
法的な就業制限がかかる感染症は不可抗力であり会社の責任はありません。
したがって、この感染症に該当する場合、会社は労働者に対して賃金や休業手当の支払義務はありません。ノーワークノーペイの原則により、出勤停止期間中の給与を削減することができます。
では、これに該当するかどうかの判断ですが、会社の就業規則を確認してみてください。
就業規則に感染症に関する項目が「無い」場合は、法的に決まっているのであえて就業規則に記載する必要がない事項と判断できます。
その場合は、休業期間中の賃金及び休業手当の支払義務は会社にはありません。
会社から年次有給休暇を使うように進言されたというのは、妥当だと思います。