前号に続きまして冬対策第3弾です。備えあれば憂い無し。クルマにとって冬はなかなか厳しいですが、上手に対策して乗り切りましょう。
《ディーゼル》
もともとディーゼル車は寒冷地には強いです。その理由はまず、エンジンの始動時に点火プラグではなく圧縮熱を使うためタイミングがかなりアバウトで良いということ。そして圧縮比がもともと高いので、セルモーターやバッテリーが大型で力があること等があげられます。ただし、その分バッテリーやセルが調子悪いと全く始動しないのもディーゼルの特長です。
ディーゼル車の燃料は軽油を使いますが、この軽油、油のクセに低温下では凍ります。というか固まってしまうんですね。したがってスキーに出かける場合など現地での給油が鉄則です。特にタンクの中ではなく、燃料を送っているラインのなかで軽油が凍り付いてしまったという例もあります。
対策としては、家を出るときには燃料を少なめにしておき、スキー場近くのガソリンスタンドで給油すること。軽油には5種類くらいのランクがあり、現地の軽油は凍りにくい軽油になっているのです。
あと、ディーゼルの場合はなるべくマメに燃料を補給してガス欠にならないようにしましょう。ガソリン車はガス欠でエンジンストップしても燃料を入れればエンジンはすんなりかかりますが、年式の古いディーゼル車のエンジンは、ガス欠を起こすと一旦エア抜きをしなくてはなりません。コレが結構面倒です。雪道での渋滞もありえますので、ディーゼル車は特にガス欠には気をつけたいものです。
《雪道帰り》
雪道を走りますとクルマのボディに塩が吹いたようにびっしり白いものが付着します。これは塩化カルシウムといわれるものでそのままにしておくと鉄部は錆びを発生します。
特に注意したいのが、雪道帰りのあとの下まわりのチェック。ボディよりより多くの融雪剤にさらされています。スノードライブから帰ったあとはすぐに洗車、できればスチーム洗車ですみずみまで洗車しておきましょう。
予防としては「タイヤのつやを出すスプレー」が市販されていますので、これを事前に下回りにスプレーしておくという手があります。つやだしスプレーの中身はじつはシリコンです。シリコンは強力に水をはじきますので融雪剤も受け付けません。同時に泥汚れなどもすぐに落ちるので、スノードライブの事前準備に余裕のある人には是非オススメです。
ただし、ブレーキにはかけないように。シリコンがブレーキに付着しますとブレーキ性能が落ちて危険です。