地球温暖化や環境汚染の防止のために、クルマのアイドリングを止めようという運動が盛り上がっています。停車しているときなど、エンジンを動かす必要が無いのであれば、積極的にエンジンを止めましょうというのが「アイドリング・ストップ運動」です。
これは都道府県条例でも規制されているもので、例えば大阪府の場合以下のようになっています。
【府条例によるアイドリング規制の概要】
1)自動車ドライバーは、駐車時にはアイドリングを停止して下さい。
2)事業者は、従業員に対して、アイドリングを停止するよう指導して下さい。
3)駐車場管理者は、利用者に対して、アイドリングの停止に努めて下さい。
特に500平方メートル以上の大きな駐車場の管理者は、利用者に対して、看板等によりアイドリング停止の周知をするように求めているし、事業者、駐車場管理者に対しては違反者に勧告できるとしています。これは何を言っているのかというと、事業用のタクシーや観光バスのことを言っているのですね。
確かに駅構内でのタクシーの客待ちや、観光地の駐車場での観光バスは乗務員が暑いだけと言う理由でエンジンをかけエアコンをつけています。また高速道路のパーキングエリアでも、長距離トラックの運転手はエンジンをかけたまま仮眠しています。これらはほとんど業務上のことであり、改善を求められて当然のことと思います。
アイドリングストップ運動は、この他にも交差点での信号待ちや踏み切り・交通渋滞でもアイドリングをストップしようという動きがありますが、これはちょっと考え物です。道路を通行しているときは、停車していても「運転中」ですからむやみにエンジンをストップするものではありません。また機械というのは動いていてこそ正常であり、頻繁にエンジンを停止すると故障の原因にもなります。(セルモーター・バッテリーがやられる)
トヨタのプリウスのように発進は電気で動くようなクルマ、あるいは停止すると自動でエンジン停止、アクセルを踏むと自動で発進するようなシステムがクルマに組まれない限り、運転中にエンジンを停止するのは危険といえましょう。
アイドリングストップ運動それ自体とやかく言うつもりはありませんが、その前に「車に乗らなくてもすむような社会改革」が必要だと思います。
例えば、自転車。このすばらしき文明の利器は、そのまま電車に乗れないんですね。最近やっと手荷物料金は取られなくなったようですが、それでも自転車ごと電車に乗るような雰囲気は出来ていません。
郊外ベッドタウンに隣接する駅の駐輪場が溢れているようですが、それをもう一歩突っ込んで、電車に楽々乗れるようにし、そのまま下車して会社まで自転車でいけたらいかに便利か。想像しただけでも楽しいじゃないですか?ね?