とあるパーキングビル。空きスペースを探してうろうろしていると駐車スペースにうまく入れられなくて往生しているクルマがいた。運転手はうら若き女性。運悪く両脇に止まっているのは外車だ。黒塗りのメルセデスベンツ。こすったらエライことだ。もしかしてヤッチャンだったらこのうら若き女性は遠くの国に売り飛ばされてしまうだろうなどといろいろなことを考えつつ、自分の止めるスペースを探すのも忘れて見物モード。
この女性、初心者マークはつけていないが、ハンドルさばきがおぼつかない。何回もやり直すのだが入れられないのだ。それもそのはず、彼女のやり方ではうまく入れられないのは当たり前。
彼女は前から入れようとしているのだ。両脇に車が止まっている駐車スペースにうまく入れるには、【バックから】入れないとだめである。ましてやただでさえ狭いパーキングビルだ。周りを見てみよう。みんなバックから入れているだろ?
クルマというのは前のタイヤで方向を決める。後ろのタイヤは回転するだけだから方向は決められない。(その昔4WSといって後輪もきれるシステムはあったが)したがって前から入れると、内輪差で後輪がうまく納まらない。何度やり直してもだめだ。こういうときは方向転換の要領で、前にまっすぐ行き過ぎてからバックで入れてみよう。すんなり入るはずだ。
ただし、ファミレスやスーパーなどの住宅地に隣接した駐車場は騒音防止や壁の汚れ防止のため、前から入れてくださいとしているところもある。こういうときは前から入れるのがマナー。入れやすいように、駐車スペースも広く取ってあるはず(なのだが実際はせまい・・・)。空いている駐車スペースに前から入れてしまうのを私は「女の子止め」と呼ぶ。ま、これは私が勝手に命名しただけであるが。
アメリカなどではこの女の子止めは普通である。というよりアメリカではスーパーなどで買い物をした時などは、荷物を積みこむためにトランクを後ろ向きにしておいた方が都合がいいからほとんどの人が頭から突っ込んで駐車する。アメリカは駐車スペースも広いから前からだろうと後ろからだろうとどっちでもそう問題にはならない。