ワンボックスタイプのRV車は座席が3列シートになっています。このシートはレイアウトが多彩で、座席を平らにしてベッドのようにしたり、対面シートにしたりすることができ、この自由度が人気の秘密になっていたりします。しかし、この自由なレイアウトが時として大きな落とし穴になることがあります。
走行中に後ろのシートを全部倒してベッドのようにして寝ていて、そこに追突され、寝ていた乗員が死亡してしまった事故の場合、保険金が十分に支払われないケースがあるようです。
この根拠は、走行中は前向きに座席に座り、かつ安全のために後部座席であってもシートベルトをする、というのが運転者に課せられた安全運転義務であるという解釈からでしょう。後ろの座席を倒して寝ていたというのは、それを注意しなかった運転者の安全運転義務違反というわけです。
たしかに、対面座席やフルフラットシートは、安全性においてその状態で走行することを前提としておらず、キャンプ場などで停車中にそういった色々なレイアウトを楽しめる、というものです。対面シート状態やフルフラットにして寝ている状況で事故に遭遇したら、安全であるはずがありません。
走行中は思わぬ事故に巻き込まれる可能性もあります。3列シートの自由なレイアウトは目的地に着いてから楽しむとして、走行中はみな座席を前向きにして、後席といえどもシートベルトをして安全にドライブしましょう。

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