第2回-幽霊信じますか?
こんにちは、稲垣尚美です。
まだまだ寒い日が、続いてます。
でも、そろそろ日差しは、春ですね。
大好きなスキーシーズンも終わりかな。
私はよく90歳以上の老人に「幽霊を見たことありますか?」と聞きます。
たくさんの方にお聞きしましたが、「見たことある」と答える人は、ほとんどいません。
そしてほとんどの方が、そういう類のものを信じてないのです。
87歳のGさんなどにには、はっきりと「人間は、死ぬと灰になる。それだけ。」
と断言されました。
100年近く生きてきた人生の先輩達が、一往に「見たことない」と言うのですから、幽霊は、いないのかも・・・という結論に達しそうになった時にSさんという方が、入所してみえました。
仏様のような(例え方が、縁起がよくないか)、観音様のような方です。
私達の顔を見かけると必ず名前を呼びながらあいさつをしてくれます。
いつも私達に感謝の気持ちをもって接してくださってわがままな老人の多い中でオアシス的な存在の方です。
その方が、身内が亡くなる時に必ず、枕元に亡くなる方が立つのを見ると言うのです。
あいさつをしていかれるのだそうです。
なるほどとなんとなく、Sさんだと納得がいきます。
Sさんの枕元に立つ幽霊は、話さないのだそうです。
Sさんが、「ここは、いるべき場所じゃないよ」と言うと足音をヒタヒタと立てて、出ていくのだそうです。
(Sさんに出る幽霊は、足がある!)
ここ10年くらいで見るようになったとSさんは、言ってみえました。
「近しい人達が、亡くなるようになって見るようになった。
それまでは、見たことないのに。」
Sさんは、いつも仏教関係の本を読んでいます。
たまに内容を聞いたりするとお説教のような感じになってしまって辟易してしまいますが、それでも「この施設には、Sさんが、みえるからいい。」
っていう職員も多いです。
Sさんのそばにいると、私もなんとなく心が安らぐのできっと幽霊もそうなんでしょうね。
次回は、ほんの少しだけ霊感がある職員、Wの話です。
2002.02.22