[004]おかしいぞ、日本

先週の続きになりますが、ギフトショーに行き7社ほどと取引を開始することになりました。最初はサンプルの買いつけからスタートするのですが、各企業とのやり取りの中でがっかりすることがしばしばあります。
 まず、「担当者が不在なので誰もわからない。」という返事です。しかも、電話をかけられた事自体がうるさいなといわんばかりの調子です。不在でも誰かがカバーしてくれるのが日本式経営の良さではなかったのでしょうか。大企業で個々人が歯車のように動いているようなわけでもなし、これでは留守番電話の方がはるかにましです。伝言を依頼しても絶対メモを残してくれない企業もあります。「ほんとに用があればまたかかって来る。電話代も節約できるし。」という魂胆なのでしょうか。礼儀正しさや相手への気遣いは日本人の美徳であった筈なのに。


 こういうおかしさが気になり(というか気に障り)始めたのはリストラ・ブームになってからです。人員が削減され、一人の仕事量がふえた、ということもあるでしょうし、不況で儲からないからおのずと機嫌が悪くなったり、意欲が減退するということもあるでしょう。しかしながら、こういう状態ではとても質の高い仕事などできるはずもなく、リストラによる経費削減が一時的にその企業を楽にしただけで明るい未来はなさそうです。
 もうひとつ勤勉性の欠如。バブルの頃から日本人は働き過ぎだなどと欧米各国から非難され、何となく勤勉なことは貧しさの象徴であったり、恥ずかしいことのように思わるようになった気がします。勤勉であることのどこが悪なのでしょう。私は先月は土日も一切休まず夜中の2時まで毎日仕事をしていました。サラリーマンではないので、楽しみながら仕事ができると言えばそれまでですが、休まないとストレスがたまる、毎日が辛いという人を逆に気の毒に思います。
 そもそも国際社会で生き残るにはその国の優れた点がなければいけないはずです。それを一気に失って、最低限の共通部分だけかき集めたり、よその国のまねをするだけで国際化したというのは履き違えというものです。私自身は狭い世界にとらわれない反面、日本人の良さ、得意とする点をのばそうという努力をして来ました。結果、現在のクライアントのすべては外国企業です。
河口容子