[179]中国3高女性の生活

 先日読んだ記事の中に「中国3高女性の結婚難」というのがありました。3高とは、高学歴、高収入、社会的地位の高さをさし、男性なら理想の結婚相手の条件となるものの、女性の場合は結婚相手がなくて困るという現象が起きているのだそうです。別の記事では、中国の大都市のキャリア女性の 70%が支出オーバーで、うち 56%は貯蓄よりも投資に費やす願望が強いという調査結果が報じられていました。
 調査対象となったキャリア女性5000人の 7割が30歳以下で、日本円にすると月収は 2万 9千円から 7万 2千円ほどです。私の香港パートナーの展開する日本製品のセレクトショップのお客さんたちは25歳から40代前半までが多いため管理職や経営者が多く月収ももう少し上の層です。もともと「住」と「食」に関しては日本とは比べ物にならないほど安く、ましてや親と同居していれば、お給料を使いはたしたところで何の不安もありません。一人っ子世代なら両親のみならず祖父母というスポンサーまでついています。彼女たちの可処分所得率は日本と比較にならないほど多いと思います。
 たとえば上海女性、私の香港パートナーは「上海の女性は美しく才能もあるが、気が強すぎる。あれは典型的な中国女性ではなく特殊な存在。上海女性と結婚したら大変なことになる」と言いますがこれは50代の意見で、広州の男子大学生は上海女性を「カッコいい」と憧れていました。確かにプライドが高く、おしゃれ好き、宵越しのお金は持たないタイプが多い気がします。
 キャリア女性の最大の支出はショッピングと美容関係で支出の約4割、自分でマンションを買う女性もますます増えているということで、中国の非婚率の上昇と少子化もそろそろ問題視されています。もともと中国は男女平等である上に、転職社会。外資の参入により新しい職場も大量に創出されていきます。中国女性がますますたくましく美しくなっていくのが予想されます。
 一方、日本でも男性は収入が高くなるにつれて非婚率は下がり、女性は逆に収入が高くなるにつれて非婚率が上がるという傾向があるそうです。最近流行している言葉で「上方婚」と「下方婚」という言葉がありますが、女性は自分の学歴、収入、社会的地位を上回る男性を結婚相手に選ぶ「上方婚」志向、男性はその逆で「下方婚」志向。ところが、女性の社会進出により、3高女性が増加、ミスマッチにより非婚率が各年代層ともに増加しています。日本の場合は中国と違い新規の職場がなかなか創出されないため、同じパイの食いあいとなり、高収入かつ高いポストの女性が増えれば増えるほど、低収入の男性が増えるという構図になり問題は深刻です。
 つまり、女性は自分で生活できなければ結婚して夫に扶養してもらい、自分で人並み以上に収入がある人はそれで自由を謳歌する。男性のように誰かをを養うという発想はまず持ちません。日本においてもやはり女性は現実的でしたたかな生き物のようです。
河口容子