[130]アセアンのグッドデザイン

 グッドデザイン賞(Gマーク)アセアンセレクションの発表シーズンがやって来ました。グッドデザイン賞はご存知の方も多いと思いますが、戦後日本の産業振興策として通産省が始めたものでもう50年の歴史を持っています。単にデザインの良さのみならず、使い勝手や品質の良さ、企業姿勢をも加味した評価で、現在は食品と衣類を除いたあらゆるジャンルの製品、建築物に至るまで受賞の対象となっています。私は消費者にとって安心を、作り手にとって励みを得られるすぐれた政策だと思っています。アセアンセレクションはこの制度をそのままアセアン諸国の製品に適応し、各国へ審査員が出向いて審査を行なっています。
 私自身も日本での見本市へ参加する企業や商品の選択の仕事を何回かやらせていただきましたが、あくまでも対日貿易の促進という観点から仕事をしますので、日本の消費者のライフスタイルに抵抗なく溶け込めるもの、つまりアセアンらしい素材、モチーフ、技巧を使い、あるいは安らぎや懐かしさといった香りを持ちながら現代生活にマッチするもの、また、品質と買い求め易さのマッチしたもの、ビジネスをされる方にとっても少量多品種展開が可能で、まじめで前向きな経営者のいる現地企業という眼で選定をしています。

“[130]アセアンのグッドデザイン” の続きを読む

[128]がんばれ!インドネシア

 先週、インドネシアへの投資セミナーが北九州、大阪、東京の順で開催されました。つい最近では、マラッカ海峡での海賊事件、そして昨年末には大津波で 45億ドルの損失を被ったスマトラ島のアチェ、とあまり良いニュースがありませんでしたが、昨年10月には初めて直接選挙によりユドヨノ政権が誕生し、汚職の撲滅や労働市場の安定化のための協議を行なっています。
 インドネシアは1994-5年あたりが日本からの投資がピークで、私自身もその少し前からインドネシアとの取引を開始しました。当時は、私の勤務していた総合商社でもジャカルタは関係会社への日本からの出向者、現地雇員をあわせると 100人体制で、駐在希望地ナンバーワンでした。ジャカルタは1000万人都市ですし、外国人も多いため買い物には不自由しません。何といっても物価が安く、商社の駐在員なら閑静な高級住宅街に家をかまえ、使用人を何人も雇え、週末は家族そろって五つ星ホテルで食事をしたところで、どんどん貯金はふえていく所だったからです。
 ところが、1997年にタイ・バーツを皮切りにアジア通貨危機にのみこまれ、1998年にはジャカルタで大暴動が起こりました。これをターニング・ポイントとして投資は中国へ中国へと向かうようになります。「日本から近い」「文化的になじみがある」「巨大市場」「人件費が安い」ということで飛びついたわけですが、まだまだ問題も多く、中国からの撤退を専門とするコンサルティング・サービスが成り立つほどです。

“[128]がんばれ!インドネシア” の続きを読む