2005年は平和な年であるようにとの願いもむなしく、スマトラ島アチェ沖で想像を絶するような地震が起こり、大津波でインド洋沿岸に多くの犠牲者が出ました。惨状が刻々と明らかになり、「おめでとう」とは大きな声で言えないような年明けとなりました。幸い、地球規模での助け合いの動きが起こっています。犠牲者のご冥福を祈るとともに、被災者のかたがたが心身ともに早く立ち直れるよう、また、各国から援助に行かれたかたがたも無事任務を果たされるよう願っています。地震や津波の恐怖の音の記憶が早く復興の力強い槌音に変る2005年であってほしいものです。
ちょうど、同じ頃、私が国際ビジネスに関するお手伝いをしている会社の中国側のパートナーが決まりました。上海にある会社ですが、社長はまだ30代前半の男性で、上場企業傘下のメーカーの社長も兼任していますし、中央政府のプロジェクトのメンバーでもあります。彼とは昨年春にあるセミナーで偶然出会いました。しかも先方からご挨拶をいただきました。その後、何もやり取りはなかったのですが、年も押し迫って彼に相談したところ「話を持ちかけてくださって光栄なことです。」の一言で、大晦日までの数日間に普通なら 1ケ月以上かかりそうな話が一気にまとまりました。こういう運命的な出会いというか反応を得られる瞬間は何か音がするような気がします。香港のビジネスパートナーとスピード契約をしたときもそうでしたが、今回も2005年へ向けてゴーッとうなりを上げて飛んで行くような気分でした。
[117]季節の挨拶
12月の声を聞くといつも宿題をかかえた気になるのはクリスマス・カードと年賀状の準備です。今月早々、あまり親しくない海外の知人から A happy new year! とメールで言われ、ちょっと変な感じがしましたが、考えてみれば、「良い1年でありますように」という意味ですから、別に「あけましておめでとう」ではないので新しい年が来る前に使ってもおかしくはないわけです。
準備の順番からいうとクリスマス・カードです。こちらはクリスマス休暇の前に届いてないととても恥ずかしい思いをします。イスラム教徒にはクリスマスはありませんので、通常「良いお年を」カードになります。ブルネイ、インドネシア、マレーシアではイスラム教徒が圧倒的に多いものの、宗教は自由ですのでクリスマスもちゃんと休日になります。
eメールのカードが出始めた頃は、郵便事情が悪い場所でも安心なのと、出すタイミングがぎりぎりでも間に合うことや、絵が動いたり音楽が楽しいということで相手の好みや親しさに合わせてカードを選んでメールで送っていました。ところが、最近はウィルスやスパムが多く、警戒する人は開封せずに削除してしまうのです。オフィスのメールアドレスに送った場合は休暇前にまとめて開封する人が多いようで、メールをたくさんもらう人にとってはかえって迷惑かなとも思い、今年は昔のように紙のカードで郵送をしました。ジャカルタに住む女性の企業経営者が、日本的な図柄の紙のカードがほしいと言っていたのを思い出したからでもあります。彼女はお気に入りのカードは小さな額に入れて飾っておくのが好きなようです。欧米のオフィスなどでは受け取ったクリスマス・カードを飾っておきますので、「公式」という意味では紙のカードに軍配が上がるかも知れません。