上海税関の発表によると、2004年 1-9月の上海市のフランス向け香水、オーデコロンの輸出額は前年同期比89.2 %増の 420万ドル、化粧品、スキンケア製品などの輸出額は1852万ドル(同200%増)とのことです。すでに世界の化粧品業界の上位30位が中国に進出し販売を行なっており、生産、研究開発拠点としても成長しています。フランスへ輸出する化粧品は加工貿易によるものが多く、日本でもおなじみのフランスの著名ブランドの現地法人の輸出量は上海市浦東区の化粧品輸出のなんと90%を占めているようです。つまり、パリの香りのイメージで高い価格で売られても実はそれは上海の香りなのです。
[111]東アジアの近未来
先週、「東アジア経済連携推進フォーラム」を聴講してきました。午前中は日、中、韓、マレーシア、タイ、フィリピンの政治・経済界の識者たちによるシンポジウムでした。
現在、私の仕事のテリトリーはアセアン諸国と中国に絞りこんでいます。会社員の頃からもう10年くらい取引をしながら、 ASEAN諸国と中国との比較を個人的な興味もありやってきました。零細企業にとっては「安近短」というメリットもありますし、さんざん味わってきた欧米人に対するような気負いも背伸びも不要で体力的にも楽な気がします。今まで遠いところに通勤していた人が、退職してコミュニティ活動に力を入れ始めたような気分です。
日本人の中には「アジア人の意識が薄い」人がかなりいます。欧米のことは結構知っていても、アジアのことは本当に知りません。ここ数年の上記の国々の経済発展はめざましく、トップ企業のマネジメント・レベルは日本より高いと感じることもしばしばです。特にバブル経済を経験した多くの日本人の大人たちは、いまだに「ジャパン・アズ・NO1」の幻想を捨てきれず、彼らがどんどん追い越そうとし、追い越して行っているのを認めようとしません。もちろん、日本にもまだまだ国際的に強い分野や産業はあります。日本ならではの良さもないわけではありません。ただ、国を挙げての国際化は彼らより遅れたことは事実です。
象徴的な出来事が近鉄とオリックスの合併劇に始まったプロ野球界の騒動です。要は旧態依然とした管理システムではもはや国際化に対応できないということです。優秀な選手はメジャー・リーグへ行き、それに伴いメジャーの放映もふえ、日本のプロ野球が物足らないファンがふえてしまったという按配です。