[028]勇気、着実性、意欲的

 友人の米国人女性が私の長所を「勇気がある、そして着実にものごとを処理する、そして意欲的に対応できる」こと、「これらはすべて起業家に必要なこと」とほめてくれました。良く言えばそうかもしれませんが、頑固で自我が強いという裏返しにも取れます。
 サラリーマンを辞めて起業した3年前には「勇気がありますね。」とからかう年長の男性、「そんな高い給料もらってて、もったいないですよ。」と言う後輩の男性、「定年までおとなしくしていればポストも年収も確保されるだろうに何考えてるの?」と取引先に不思議がられたり、「道楽で自分の会社を始められる人はいいよなあ。」という人まで現れ、おおむね男性の意見はリスクを回避する既得権維持型なものでした。逆に女性は単純に喜んでくれたり、励ましてくれる人が多かった気がします。
 30代になった頃、米国人の同年代の女性の起業家ふたりに仕事で出会いました。一人で仕事をかかえ世界中を飛びまわっていました。彼女たちは私に「いつ独立するの?」と聞きました。何とも答えられない私に「一生雇われて暮らしたいわけ?」と軽蔑した顔をされたのが今でも忘れることができません。
 しばらくして、日本人の女性の起業家に会いました。彼女は高校を出て銀行に勤務していましたが、自分の趣味を生かすために貯金箱貯金でためた100万円で自分の会社を作りました。(当時は100万円で株式会社が作れました。)そして外国語はほとんど話せないにもかかわらずヨーロッパの会社との代理店交渉に成功しました。

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[027]戦争とウィルス

 国際的にビジネスをする者にとって為替の動きはもちろんのこと国際情勢に始終はらはらしています。不幸にしてイラク戦争は始まってしまい、最初の噂のように短期終結は望めそうもありません。また、期を同じくして広東と香港を中心に謎の肺炎SARSが世界中へ広がり、国際的に移動をするビジネスマンにとってはダブルパンチともいえる今日この頃です。
 日本を代表するメーカーに勤務する知人は、戦争によるテロの危険で米国出張が取りやめになったとか、このメーカーには米国と日本を毎月往復するエンジニアも多々いて同時多発テロ以来不安な日々を送っているそうです。
 私のビジネスパートナーの会社は広州と香港に本拠を置いていて、まさにSARSの震源地にいるわけですが、様子を聞いたところ、市民は公共の乗物には極力乗らない、人通りの多い所に行かない、ミーティングを減らすなどの自衛策を取っているとかで、仕事どころではありません。ニュースによると香港への観光客も90%減、不況の香港に追い討ちをかけているようです。
 ジャカルタにいる友人の華人経営者は、テロを恐れて開戦後欧米の顧客の出張キャンセル、もしくは、シンガポールのような他国でのミーティングを希望されるケースがほとんどで、戦争が長引けば商売あがったり、と嘆いています。

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