ディジョンに数ある博物館、資料館のなかでとても気に入っているのがミュゼ・ラ・ヴィ・ブルギニヨンと呼ばれる生活博物館。市の中心にあるけどあまり目立たない通りにあるのとディジョンのガイドブックでもきちんと紹介していないのであまり観光客には合いません。むしろ地元の小学生団体や博物館好きな人のお散歩コース化しているのかあまりディジョン人以外を見掛けません。
博物館の建物そのものはかつてシトー派修道院だったという事もありとても美しい回廊があります。中に入るとブルゴーニュ人の生活様式が分りやすくマネキンなどを使って昔の郷土衣装を展示しています。さすがブルゴーニュと思えるのは美食の地方だけあって昔の料理道具などの展示室があるところ。恐れ入りました、さすが、ディジョンと言いたくなるのはマスタード壷のコレクション展示室。市内にあるマスタード博物館の壷もおもしろいけれどこちらは更にそれを拡大した規模でさまざまなものが見れます。
東京にも上野公園内に民芸博物館があり両国には大江戸博物館があり私も帰国した時は外国人を案内して日本の文化に触れるように勧めますが、ブルゴーニュの文化に触れるならやはりここを訪れるべし。ブルゴーニュ大公宮殿も良いけれどあちらは大公にまつわるものの展示でこちらは庶民に関わるもの。スノッブな貴族文化と葡萄畑で汗まみれになった農民の文化をこの街で一気に味わってみてはいかがでしょうか。ブルゴーニュ大公国の光と影が見えてくるかもしれない。
私が気に入っているこの博物館の2階にはレトロな雰囲気を漂わせる昔のブティーク、毛皮屋、お菓子屋、薬屋などの大型模型がありちょっとノスタルジックな気分にさせてくれます。そしてその先にノスタルジックの頂点に乗せてくれるレトロ写真館がありもちろん館内の職員の人にたのめば好みの洋装で撮影してくれます。仕上りもセピア色で雰囲気はもうレディー・ミツコ、ゲランの香水にもあるミツコさんは明治時代にヨーロッパへと嫁ぎ東洋人の貴婦人として歴史に残った女性の一人です。
またこの博物館のすぐ隣にあるミュゼ・サクレはドーム型した屋根を持つ教会の中に昔のカトリック司教が着た法衣などを中心に宗教関係の展示品が多いのですがあまり堅苦しくなく、エンジェルの彫刻などがとてもカワユイと思っています。ディジョンに来たらお見逃しなく。
Musee La vie bourguignon: 17 rue Ste Anne Tel: 03.80.44.12.69
Musee Sacre: 15 rue Ste Anne Tel: 03.80.44.12.69
夢路とみこ