最近再びアルザス地方に行く機会がありました。この地方はクリスマスマーケットが有名だから冬に行くところと思われがちですが、いやいや、夏だって楽しい、美味しい地方です。
夏のアルザス地方、郷土料理を楽しむのなら私はこう行く。食前酒はCremant D’Alsace(クレマン・ダルザス)これはシャンパンと同じ製法で作った発泡性ワイン、ピノ・ブラン種で出来ていてシャンパンやクレマン・ド・ブルゴーニュよりもややほのかに甘い感じがします。
発泡酒がどうも、というのなら同種の普通のワインはどうかしら。ブルゴーニュでは黒葡萄のピノ・ノワールで美味しい赤ワインですが、白葡萄のピノ・ブランのワインはアリゴテ同様に軽くちょっとワインをというのにはお誂え向きです。この地方以外ではピノ・ブランをグラスで飲める店はあまりないのでこの機会にどうぞ。
この地方の郷土料理、シュークルートやベックオフは冬の料理。食べるだけで汗だくになりそう。やっぱりここはさくっと、Coq au Riesling(コック・オウ・リースリング=雄鶏の白ワイン煮)と行きませんか。リースリングはドイツワイン品種としても有名だけど、甘口ワインの「リープフラウミルヒ=聖母の乳」や「マドンナ」で知られるけど、アルザスのリースリングは甘さ控えめのややドライ。ブルゴーニュではコック・オウ・ヴァンと言い赤ワインで煮込みますが、こちらは白ワイン。クリーミーなソースがこの地方のパンとこのうえなくマッチする。
もっと軽くさっと済ましたいのなら、Tarte Flambee(タルトフランベ、別称、フラマンケッシュ)という超薄のピザ生地にベーコン、オニオン、フレッシュクリームを掛けて焼いたこの地方ならではのピザ。ピザよりもうんと軽いので女性でも一枚は軽々と行ってしまいます。
これに合わせる飲み物はやっぱりアルザスビールかな。ブランシュと呼ばれる白ビールはライムか何かのジュース入りらしく結構さっぱりすっきり。ワインでというのなら、Sylvanerシルヴァネールも悪くない。
私が今回行ったのはストラスブール。どうしてもタルト・フランベが食べたくて市内あちらこちらの店のメニューをチェック。大聖堂周辺モロ観光客向けの店の方がタルト・フランベの種類が多く値段も手頃な6ユーロ台というのが気に入りました。味も満足だったし、雰囲気もアルザスチック。特にAu vieux Strasbourgという店には2日連夜も通ってしまった。
今年も猛暑みたい、夏にこの地方を訪れるならタルト・フランベで腹ごしらえを。
夢路とみこ
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