[137]ディジョンB級グルメ

最近東京の渋谷でも「ケバブ」「シシカバブ」のサンドイッチ屋を見かけるようになりました。私が東京に住んでいた頃はまだ見たことなかったこのアラブ風豪快なサンドイッチ、帰国する度にライトバンで移動出店しているのを見て驚いています。ピタパンともポケットブレッドとも呼ばれる袋みたいなイースト菌の入っていない、聖書には「種無しのパン」と書かれている、この平たいパンの真中に野菜たっぷり入れて申し訳ない程度にローストした羊肉を乗っけたもの。
正統派はここでヨーグルトのような爽やかな味わいのブランシュ(白ソース)を掛けてもらう。ピリ辛派はアリサという唐辛子をそのままつぶしただけのように辛いソースをも入れてもらってる。ちょっとあんたそれは野暮じゃない、と私が口をアングリしているのはマヨネーズを入れてる人。やっぱりディジョネー(ディジョン人)ね、とその愛国精神に脱帽するのはマスタード使う人。ものすごいボリュームのあるサンドイッチだからこれだけで一食OK、ダイエット 3日間という感じ。


これらの店はだいたいイスラム教徒系だから年中無休。日曜、月曜とレストランが休みの多いこの国で年中無休は本当に助かる。営業時間もかなり長いから夜遅く到着したときの腹ごしらえも安心です。ボリューム良し、味良しだから貧乏旅行者の見方、ウエストラインが気になる私の強敵。ディジョンは学園都市でもあるからケバブの店が多い。フランスは薬局とランジェリーの店が多い事で知られますが、ディジョンはこれに付け加えてケバブの店の多さが目立ちます。
市内の至る所にあるからどこで食べたら良いかな、迷うな。でもケバブみたいなシンプルなサンドイッチはどの店も同じだから何処で食べても一緒か、なんて思わないで下さい。シンプルで価格も似たり寄ったりの商品に付加価値を付けてつけてお客さんを呼ぶためには努力が必要です。私が通うケバブ屋は努力を怠らない。毎朝通勤途中に店の前を通りますが、朝早くからポケットブレッドをこねています。お店の中にパン焼きオーブンもあります。自家製のパンで他店に差を付けています。またこの店にあるトルコ産「ヨーグルトドリンク」はすっぱいけど旨い、他のケバブ屋にはないドリンクです。「ダイエット」という文字が一瞬頭の中から消えてしまいます。ディジョンでちょっとケバブでも、というならこのお店にどうぞ。
Delices du Palais 住所: 3, avenue Foch 21000 Dijon
駅前を観光局に向かいまっすぐ行く道路の右側。
夢路とみこ