その独特の味(シェリーともウイスキーとも取れる)からのせいか、日本ではあまり馴染みのないヴァンジョーヌ、黄色いワイン。このワインを代表とするジュラワインの中心地アルボワはブルゴーニュワインの中心地、ボーヌに匹敵する位に町中にワイン関係の店が続き試飲出来るカーブも多々とあり。
ボーヌの場合はプチトランがあってそれに乗れば城壁の外にある葡萄畑を見れるけれど、ここではプチトランもなければ畑もそう近くない。中心のリベルテ広場からGrand Rue沿いに歩けば山肌に栽培されている葡萄畑が見えてちょっとしたパノラマ。
アルボア駅は無人だし、駅付近にも民家が数件(でも花で飾られていてとても綺麗)。だからこんなところがジュラワインの中心地かなと意気消沈するのはまだ早い。Centre Villeの看板を見ながら徒歩15分で町の中心地。途中、パスツールの家を通ります。ワクチンを作った名医の血液学者の彼は葡萄が腐り御酢になるのを防ぐ醸造方を考え出したワインにとっても名医。彼が生まれたのは同じフランシュ・コンテ地方のドール、でも育ったのはこのアルボア。彼はきっとジュラワインの一番の愛飲家で理解者だったのでしょう。
ジュラワインは私もフランスに来るまで殆ど飲んだことがなかったので目下学習中。でもブルゴーニュやボルドーと違い癖のあるワインが多いと思います。繊細、優美、ダイナミックという形容はなくアヴァンギャルドなアウトローなそれでも放って置けない気になるアイツ的な味。ワインは良く女性に例えて表現されますが、ここのワインには女性は出ない。試飲するときに浮かぶ言葉は全て男性的。
これは男のワインだわ。その男性的なワインを紹介すると。ヴァンジョーヌの王様クラスと行ったらシャトー・シャローヌ。樽熟成は最低6年半というせいかちょっとウイスキーっぽい味。名物コンテチーズのちょっとした苦味とすごくマッチする。Vin de Paille藁のワイン。葡萄に藁をかぶせて乾燥発酵させるらしく高級品。Rose de Ploussardプルサール種のロゼは私のお気に入り。少しずっしりと来て香りが黄色いワインに似てる。そしてMacvinマックヴァン。これはブランデーのようなもの。ブランデーやマールよりも飲みやすい感じがします。
ドゴール大統領は350種類以上のチーズがあるこの国の国民をどう治めようかと言ってましたが、シラクさんはこれよりも更に多いワインを持つこのくにの国民をどう治めようかと毎日エリゼ宮でため息をついていることでしょう。
アルボア観光局: http://www.arbois.com
夢路とみこ