コルシカに並んで独立意欲旺盛なブルターニュ地方の中でも特にその意識が高いのがこのカンペールだそうです。その所為でしょうか、町中になる標識や通りの名前は仏語とブルトン語の2ヶ国語表記。フランスにいながら一種の異国情緒が味わえるのはこれが公用語で私立の語学学校でもこれが学べる位に日常化しているせいかしら。
カンペールの市内地図は観光局にありますが有料の1ユーロ、ホテルなら無料。町中をオデッセイ川が流れたくさんの橋があり景観がとてもロマンチック。この町を知るならば2泊3日を提案。到着した当日はひたすら町中を歩くこと。市内地図で黄色くなっている通りは観光地らしい場所で昔ながらの家屋やお土産店が並んでいて「見るだけ買い物」でも楽しいところ。
ブルターニュは雨と風の都。だからここはフランスのアイルランドと呼ばれる位に緑が美しい。でも雨風を想定しての旅支度が必須。雨の中の散歩も楽しいけれど寒くなったらサン・コランタン大聖堂見学にどうぞ。古くからカトリックが根ざし、宗教建築物の数と豪華さに関すれば総本山のバチカンをも凌ぐ様なフランスの大聖堂一群。教会なんて皆同じと言わずに是非立ち寄ってみて。
どの教会にもそれぞれ特徴、歴史そしてその町の繁栄振りが垣間見れる。それは日本の奈良や京都の寺院を訪ねるのと同じことで日本の宮大工の荘厳、枯水仙や苔庭の静寂に準えるような美しさがフランス各地の聖堂にはあります。サン・コランタン大聖堂で注目すべきはステンドグラス。結構高い所にまであるので天気の良い日ならそこからこぼれる光で堂内が明るくなり綺麗。旧約聖書の創世記の中に「神が『光よあれ』と命じ光が現れた」という節がありますが、その瞬間はこれだったのかな、と思うぐらいに神聖な感じです。
時間つぶしに雨宿りにと教会は便利。私はここで本を読んだり葉書を書いたりと貧乏旅行の時に色々お世話になっています。この通信局のメモ書きも教会が多い。何たって適度に暖かいし静か。でも、忘れて欲しくないのは教会を旅の休憩所として利用するのなら帰る前にキャンドルのひとつでも買って下さい。そして無事な旅の継続を祈願してください。キャンドルはだいたい1ユーロ程度です。カフェでコーヒー飲むよりも安いし、急きたてられる事もない。キャンドルは教会の維持費の一部に当てられるのでちょっとしたマナーとしてこれは是非覚えておいて頂きたいものです。
カンペール観光局: http://www.quimper-tourisme.com
夢路とみこ
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