サービス業に従事する者として自らが顧客となりその対価を受ける立場にたつ時、感動、反省及び非難と様々なことを学びます。特に問題に出くわすと「どっちが客か?客は神様ではないにしろ、対価に見合う扱いを受けるべきではないか」また、「安かろう、悪かろう」で諦めるべきかと悶々すること。
日本のサービス業に対する概念「お客様は神様」は消滅したと日本へ帰る度に思います。「神様扱い」というのは大袈裟だしちょっと緩和すべきだと思ったりもする。しかし、お客様と従業員は対等ではないという事を忘れてはいけないのでは?お客様はお金を払ってサービスを受ける、そのお金は私達の生活に直結している事を忘れてはいけないのでは?しかしお客様への過剰サービスも問題あり。従業員は補佐であり奴隷ではないのですから。過剰要求に対して無理である事を理解してもらう、あからさまに客の誤解である時それを冷静に対処し相手に気付かせるなどの努力が必要なのでは。
日本出張が近くなったので2都市のホテルに手配をした時のこと。ホテル側の諸所方々の問題で処理に時間が掛かった。でもこの間のやり取りを経て「お客様は神様」神話ははちきれた。同系例のホテルなのに従業員の対応の差にあっけらかんとしてしまった。片方はこちらが恐縮するくらいに平謝りでお詫び状送付あり。もう一軒は当方も宿泊日付と日数が不一致という落ち度もある上に要求が過剰だったかもしれないせいか、私のミスに丸で指摘したのみで「ご変更承りました。お問い合わせ有難うございました」とマニュアル通りの返信だけ。読めば分かる某ミスに気付かず、予約から返信処理に時間が掛かったことに対する従業員としての一応のお詫びもなければ、単に「あんたが間違っているでしょ」といわんばかり。滞在すると快適なホテルで他の従業員は親切とは知っているだけにこの対応は残念。
サービス業をしていると私にもこんな事態はしょっちゅう。明らかに顧客側のミスと分かれば一応に「承りました件はXXですが、YYではないでしょうか。改めてのご確認をお願いします」との対応がどれだけ早期円満解決に繋がることか。憤った顧客側もふと我に返り冷静になり「あら、ごめんなさい、そうね」と理解してくれる。あれも、これも無料、無料と過剰な無料サービスが氾濫する日本のサービスの中で上質のサービスとは何かと考える今日この頃、上記2件のホテルの対応がその答えを出してくれた。
夢路とみこ
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