[205]女性ホステス募集は不可?

男女共に働きやすい環境づくりへと制定された男女雇用均等法は募集や採用の際に女性であることで不利益を受けないようにという意味合いを持った法律です。

募集の際に女性であること、男性であることを採用の要件にしたりする直接差別だけでなく、身長や体重、世帯主であることを要件とする、など、職務に関係ない要件で募集する、というものを禁止するものです。

前回の改正案(1997年)は実際に不利益を受けている女性を対象とした「女性に対する特例法」という意味合いが強かったのですが、今回の改正案(2007年4月1日施行)では、男女双方に対する不利益扱い・差別を禁止する条項が盛り込まれているのが特徴です。

ただし、最近この差別に敏感になりすぎるあまり、重労働系の募集も男女や体力のあるなしを表記してはいけない、ととられているようですが、それは間違いです。体力勝負の重労働系はそれに見合った募集や採用をしてかまいません。

また女性のホステスを売り物にしたスナックなどは女性のみを募集しても男女雇用均等法に抵触はしません。男女の区別が仕事に関係ある場合は、男もしくは女をあえて募集しても構わないのです。

またよくある誤解として、募集のときだけ男女別をなくして、面接採用のときに女性を採用するあるいは男性のみを採用するのは「可」として解釈している場合もあるようですが、男女雇用均等法は、募集のときだけでなく採用のときにも差別をしてはいけないこととなっていますので、そのような解釈・採用をしている会社の人事担当者は認識を新たにする必要があります。
均等法改正で平等は可能か
労働市場とジェンダー―雇用労働における男女不公平の解消に向けて