[265]読者Q&A『アルバイトの年末調整』

2012年10月28日

 

■読者からの質問
 
現在、某株式会社にて3か月ごとの更新契約のアルバイトをしています。
 
契約するときに、正規採用もあるかもしれないということを聞いたのですが、いつも3か月ごとの契約更新ばかりです。
 
担当者に今後の正規採用について聞いてみたところ、可能性は低いようなニュアンスを聞いています。会社が正規に採用するにはかなり難しいと思われますか?
 
また、アルバイトを6カ月しており、給与から毎月所得税、雇用保険のお金がひかれています。年末調整はできると思うのですが、このあたりについて御存知ないでしょうか?
 
■たまごやの回答
 
お便りありがとうございます。例によってアバウトに答えさせていただきます。
行動を起こす時には関係省庁の窓口にてご確認ください。
 
まず、一点目のアルバイトの契約更新についてですが、3ヶ月ごとの更新とはかなり忙しい契約更新ですが、取り立てて違法ではありません。そして2回以上の更新をしているなら、更新期待権が発生していると考えられるので、引き続き契約更新されるのでは、と考えられます。
 
しかしその場合でも、正規雇用(いわゆる正社員)にする義務は会社にはありません。あくまで現在の労働契約に基づきます。
 
ただし、労働の内容が、ほとんど正社員と同じ場合は、正社員と同様の優遇措置をする必要があると思います。労働力を安く使うために、あえて正社員にしないのであればそれは会社の良識・姿勢を問われることになります。
 
二点目の年末調整について。
 
アルバイトであっても年末調整は行われます。会社は労働者に対して年末調整をしなければならない義務が法律(所得税法)によって定められているからです。
 
#所得税法第百九十条第一号の要約。
その年中に扶養控除等(異動)申告書を提出したことがある場合には、当該他の給与等の支払者が年末調整をする必要がある。
 
ただし、記述にあるように【「扶養控除等(異動)申告書」を提出した場合は】となっているので、扶養控除等(異動)申告書を提出していない場合は、年末調整の義務はありません。
 
しかし、アルバイトを始めて6ヶ月とするならば、前の会社の源泉徴収票(あれば)や扶養控除等(異動)申告書は入社のときに提出しているはずなので、年末調整はされるのではないかと思います。
 
もし、年末調整対象外としても、所得税は引かれているとのことなので、源泉徴収票は発行されると思いますので、その場合は来年3月に確定申告をすることで税金は戻ってくると思います。12月の給与明細に源泉徴収票が付いてこない場合には会社に請求しましょう。
 
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