[062]退職

 

職業選択の自由は憲法で保証されているものです。したがって就職・退職は基本的にだれしも自由にできます。しかし、職につくということは通常は労働契約ですから、退職もこの労働契約に基づいて考えなければなりません。労働契約は、契約に関する法律として民法が適用されます。

 
労働契約の場合は、労働者側からの解約申し入れの後【2週間経過後】することによって契約は終了します。使用者の承諾は要りません。(民法627条1項)
 
就業規則には退職に関する記述がされていて、通常は1ヶ月前に申し出ることが決められていると思いますが、このような規定は無効であり、退職願いを出して2週間経過すればどんな場合でも自動的に退職となるのです。もちろん、使用者の合意があれば2週間を待たずに退職することができます。
 
退職の際には辞表を提出するのが普通ですが、退職の申し出は文書で行わなければならないということはなく口頭でも構いません。しかし、退職は重要な事項ですからできれば文書で行うべきでしょう。
 
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色々な事情がありやめたくないのにやめさせられる、というようなこともあります。辞めると辞めさせられるというのは法律上の扱いが全く違います。また使用者側としては辞めさせるのは対外的に風あたりも強いことから、本人に退職を勧告することもあります。このような状況では、意思に反した退職願を提出させられることもありますが、このような退職願は本人の意思に反するものですから、効力は無いのはいうまでもありません。

[061]老齢年金

 

厚生年金保険は、労働者の老齢、障害、死亡に対する給付を行い、被保険者や遺族が安定した生活を送れる様にするための制度です。給付には「老齢給付」「障害給付」「遺族給付」があります。老齢年金給付には、国民年金から出るもの、厚生年金から出るもの、老齢福祉年金から出るものがあります。
 
◆国民年金(老齢基礎年金)
 
支給要件★25年
支給開始年齢★65歳
ただし、60歳から減額された年金の繰上げ支給を請求することができます。
 
年金額(月額:平成12年度)
 
67,017円x{(保険料納付済期間+保険料免除期間)÷3}÷{40(加入可能年数)x12(注)}
 
(注) 加入可能年数については、大正15年4月2日から昭和2年4月1日までに生まれた人については、25年に短縮されており、以降昭和 16年4月1日生まれの人まで生年月日に応じて26年から39年に短縮されています。
 
◆老齢厚生年金
 
支給要件★老齢基礎年金と同じ。
 
支給開始年齢★一般-60歳 ★坑内員・船員-55歳
女子は厚生年金保険の被保険者期間が20年(35歳以降15年)以上の期間があり、昭和15年4月1日以前生まれの方は、支給開始年齢の特例があります。
 
年金額(年齢によって違い、複雑なので割愛)
 
参考
(60歳~64歳)定額部分+報酬比例部分+加給年金額
(65歳以上)報酬比例年金額 + 加給年金額
 
◆老齢福祉年金
 
老齢福祉年金は、原則として国民年金制度発足時に50歳を超えていた人(平成12年4月現在89歳以上の人)について70歳から支給されています。年金額は412,000円(月額34,333円)です。ただし、本人または扶養義務者の収入が一定額以上の場合は、全部または一部が支給停止されます。

[060]サービス残業

 

つい最近、慢性的連日の残業の為うつ病になり、それが原因で自殺したあるサラリーマンに対して労災保険が適用されました。つまり、自殺は労働上の災害であると法律が認めたわけです。これは会社にとっては重大な事件です。なぜなら、労災保険というのは本来使わずに済ますべき保険であり、それを使うということは企業の管理に問題があったということです。保険が適用になると、どうしてその事故が起こったか深く追求されます。そして2度とそのような事故が起きないように改善策を講じなければなりません。
 
このサラリーマンは恒常的に深夜まで残業していたとされます。自殺が労災適用になったと言うことは、会社としてはその自殺に対して責任があるということ。更に、今後このような事故が無いように務めなければならないということにもなります。当然企業としては、深夜に及ぶような残業はさせられなくなるでしょう。
 
この動きは今後労働者にとって就労環境が大きく改善されるものになると思います。労働基準法では、週の労働時間が40時間を超えた場合、また1日の労働時間が8時間を超えた場合は、残業とし割増賃金を払わなければなりません。ところが実際はどうかというと、就業時間を超えて残業していることが多く、しかもその部分は無給。これを「サービス残業」といいますが、残念ながらこれが横行しているのが実情です。
 
サービス残業は労働者に大きな負担を強いますが、事故が起こった時は逆に使用者側に不利な結果をもたらします。通常の残業ならば、使用者はその実態を把握し、しぶしぶながら残業代を払っているでしょう。しかし得てしてサービス残業は途中に居る管理者がその実態を隠し、トップがそれを知らないこともあるのです。事業部を競争させるような場合は、その部署の管理職は残業を数字で出してしまうと合理性に問題ありと不利な評価をされてしまいます。管理職だってサラリーマンですからね。
 
今、労働基準局ではパンフレットやポスターでキャンペーンを行っています。内容としては【労働時間は適正に管理されていますか】そして【労働時間の把握は使用者の責務です。労働時間管理の適正化を通じて恒常的な長時間労働・サービス残業・過労死などの問題を解決していきましょう】というもの。
 
これは何を意味するかというと、労働基準局がサービス残業が横行している事実を黙認できなくなってきているということ、そしてそれをなくそうという動きに他ならない、考えることができます。

[059]国民年金と厚生年金

 

20歳になったら、学生だろうとフリーターだろうとすべての人は60歳になるまで国民年金に加入しなければなりません。所得税は所得がなければ払わなくて済みますが、年金の保険料は収入のある無しに関係なく強制加入です。
 
国民年金は第1号被保険者、第2号被保険者、第3号被保険者の三つに分類されています。国民はその状態によっていずれかに加入することになります。
 
第1号被保険者
20歳以上60歳未満の農業・漁業・商業・工業等の自営業者や自由業学生などが加入します。
 
第2号被保険者
厚生年金保険の加入者や共済組合の組合員・加入者などが該当します。
 
第3号被保険者
第2号被保険者に扶養されている配偶者(20歳以上60歳未満)。結婚退職したOLなどは第2号被保険者から第3号被保険者に変更になるわけです。
 
会社で加入する厚生年金保険は上の第2号被保険者に該当します。つまり厚生年金も国民年金の一部なのです。
 
一つの会社に継続して勤めている場合は問題ありませんが、退職や転職して途中空いてしまった人は、保険料を自分で納める必要があります。厚生年金では天引きですが国民年金は自分で払います。うっかり忘れていると、あとでもらえる年金が少なくなったり期間が足りなくてもらえなかったりしますから注意しましょう。
 
年金は20歳から60歳まで保険料を払えば、65歳からの老齢基礎年金をもらうことができます。最低でも25年以上保険料を払わないと、老齢基礎年金をもらう資格がありません。
 
老齢基礎年金は40年納めれば満額もらえます。(平成12年10月現在年額804,200円)40年に満たない場合はそれなりに減額されます。自営をやっているとやむなく払えない時があるものです。その場合は免除を申請すれば、免除されている期間は払っている期間とみなされます。(年金額は減らされます)
 
また遅れて支払う(追納)こともできるので、お金に余裕ができたら払っておくと良いでしょう。追納は現時点から10年間さかのぼって支払うことができま
す。