[018]求人

 

「少し従業員を募集するかなー。人手足りないしー」
何気なく募集広告を出したりしていますが、実は従業員を募集するときは職業安定法の規制を受けるのです。
 
【求人とは?】
 
従業員を募集することをいいます。募集する形態は3種類あり、その形態によっては法の規制を受けます。
 
1)文書募集
新聞や雑誌、折りこみ広告、ダイレクトメール、テレビやラジオでの募集。こういった媒体での募集は誰でも自由に行うことができます。法による規制はありません。
 
2)直接募集
事業主や従業員が直接求職者に働きかけ、就職を勧誘するもの。これは厚生労働大臣に【届出】が必要です。ただし、労働者が通常通勤できる範囲内での募集については届出は不要です。
 
3)委託募集
事業主が従業員以外の他人に募集を依頼するときは厚生労働大臣の【許可】が必要です。
 
【男女雇用機会均等法との兼ね合い】
 
募集にあたっては男女雇用機会均等法に基づき、男女ともに均等な機会を与えるよう配慮しなければなりません。
 
・男子のみを募集する
・女子のみを募集する(看護婦募集、ホステス募集など)
・男子の採用枠と女子の採用枠を設定する(「男子100名、女子50名募集」など)
・待遇に男女差がある(「女性歓迎」、「女子寮あり」など)
 
以上のような募集は均等法違反になりますので、注意が必要です。
 
【労働条件の明示】
 
募集形態にかかわらず、募集の際には【労働条件】を労働者に【誤解の無い表現】で明示しなければなりません。(職種、労働時間、勤務地、賃金など)
 

[017]誓約書

 

【誓約書とは?】
 
入社時、または本採用時に、会社に提出させる身元保証書等と一緒に出す書類で、内容的には、就業規則に従うとか、会社に損害を与えた場合は責任をとるとか、会社の名誉を汚さないようにするとかの事項を約束させるものです。
 
【法的拘束は無し】
 
誓約書は約束でありますから遵守するのはもちろんですが、それに違反したからといって、処罰の対象にはなりません。実際には、就業規則に違反したことを理由に処罰の対象となります。
 
【提出は義務】
 
誓約書は法的拘束力はありませんが、その提出を拒否することはできません。会社としての必要書類としては認められており、その提出をしない場合は解雇の理由になると裁判でも判例があります。
 
【誓約内容は制限される】
 
誓約書はその性格から、労働者に重い責任を強いる畏れがあります。そのため法令で内容によっては禁止されているものもあります。
女子に対して結婚や出産を理由に退職をさせる誓約は禁止です。また、労働組合に入らないという誓約も禁止です。損害が発生した場合に賠償金を請求するのは違法ではありませんが、前もって賠償金額を決めておくことを法律は禁止しています。

 

[016]内定取消し

 

【内定は労働契約の成立か?】
 
企業に内定し、3月からは研修も始まります。4月からは晴れて社会人。この就職難のご時世に何はともあれ社会人としてスタートを切る新卒者諸君にエールを送りましょう。
でも、もしかしたら内定は決まったのに、それを取り消されたりした学生さんもいるいのではないかと思います。悔しいですよね。今日は内定の法律的取り扱いはどうなっているのかをお話します。
 
【内定通知だけでは労働契約とはならない】
 
就職活動の一環で会社巡りをし、希望の会社から内定の通知をもらった。ほっとする瞬間です。しかし、ここで安心してはいけません。通知をもらっただけでは、採用予定ですから、まだ労働契約の成立とは言えません。通知は口頭のみならず文書でもらっても同じです。文書でもらったから確実というとそうではないのです。採用予定ですから決定ではありません。したがって取り消しは有り得ますし、その取り消しに対して労働法上対抗することはできません。(民法上は対抗できる)
 
【内定通知のほかに採用を決定する意思表示があれば労働契約成立となる】
 
これに対し、内定の通知をもらったあとに
 
1)必要書類の提出を求められた
2)入社日の通知を受けた
3)勤務場所の通知や研修の案内を受けた
4)その他採用が確定した旨の意思表示を文章で提示された
 
などの行為があったときは労働契約が締結されたものとみなされます。
労働契約が締結されたとすれば、その後の内定取り消しは「労働契約の解消」にあたり、労働法上の問題となります。つまりは労働者の「解雇」にあたりますから、その解雇が合理的と認められる正当な理由がなければ、解雇は無効となるのは言うまでもありません。
 
【入社前でも賃金は支払われる】
 
採用内定者全員を対象に、入社前の研修を強制的に行なう場合、研修時間について賃金を支払う必要がありますので雇用側はご注意ください。この場合、任意参加であっても、入社後に不参加者が不利益をこうむる事態(参加者と比べ配属や諸手当てなどに差がある)が生じる人事を行ったときは任意とはみなされません。

[015]社員教育

 

日本の企業は社員教育に金をかけません。営業とか業務には賃金を払いますが、こと教育や研修には金をかけたがらない。しかしよく考えてみましょう。商売は、ヒトモノカネです。モノやカネは基本的に価値は普遍。しかし、ヒトの価値は千差万別。ヒトによってカネは利益を生むし、モノは動く。商売の3要素で一番大事なのが実はヒトなのであります。ヒトの教育に金をかける企業は伸びる。これはまったく正しい。
 
社員教育に関しては、それが労働時間になるかどうかは労働者にとって大事なこと。就業時間内に行われる教育研修は問題ありません。問題となるのが終業時間外に行われる教育研修です。基本的には、その研修が自由参加であるかどうかによって判断されます。
 
自由参加でない場合は、時間外労働となりますから割増賃金の支払いが必要です。
自由参加の場合は【無給】でも違法とはなりません。
 
一般的に通用する資格免許などの取得に関するの教育の場合は、強制であっても無給とする場合があります。これはその資格が会社を離れても本人の利益になるからです。
 
また、参加が任意であるけれども、その研修が将来の昇給に関連する場合は、時間外労働として有給にすることが望ましい。なぜならその研修を受けないとすると、受けた人と比較して結果的に不利益をこうむることになるからです。
 
「使用者が実施する教育に参加することについて、就業規則上の制裁等の不利益取り扱いによる参加の強制がなく、自由参加のものであれば、時間外労働にならない(昭和26年1月20日基収2875号)」
 
しかしながら現状ではこういった無給扱いの研修は多いです。使用者労働者ともに教育には金がかかることを認識し、しかしそれは強いては企業の強力な武器となることを念頭において取り組んでいくべきでしょう。教育に関する時間を労働時間とするかどうかは、就業規則および労働協約に記載することができます。

[014]失業保険

 

失業すると生活に困りますね。そんなときに頼りになるのが失業保険です。失業保険は、何らかの理由で職を失ったときに次の職につくまでの間に給付される保険です。日本の場合、失業保険は雇用保険がその機能を持ちます。
 
【受給資格】
 
雇用保険の失業給付を受けるには、まず雇用保険の被保険者になっていることが必要です。次に被保険者であった期間が離職前の1年間に通算して6ヶ月(14日以上勤務)以上でなければなりません。まずは被保険者証を確認してください。
 
【受給するには?】
 
雇用保険の受給を受けるには職安でその手続きをします。
 
解雇や勤務先の倒産の場合は、失業後7日の待機後に給付が受けられます。
自己都合の場合は、3ヶ月の待機後に給付が受けられます。
自己都合であってもやむをえない事情で離職した場合は、3ヶ月を待たなくても受給できる場合もあるので、担当官によく説明しましょう。
 
【職業訓練校を利用する】
 
職安を通じて職業訓練校に入学した場合は、自己都合であっても3ヶ月の待機期間を待たずに給付が受けられます。
 
また、失業給付を受けている時に職業訓練校に入学すると、その後受給期間が切れても学校在籍する間は同じように給付を受けることができます。
 
このように、失業者にとっては大いに利用すべき雇用保険ですが、悪用する人もいます。
 
先日、職についているのに、続けて職業訓練校に通って不正に給付を受けていた人が逮捕された事件がありました。これは保険金詐欺に当たり重い罪を背負うことになります。こういう事件が後を断たないそうですが、お縄頂戴にならないよう、くれぐれも気をつけましょう。
 

[147]雇用保険の知識(1)雇用保険とは?