[54]消えるのか?「テクニクス」ブランド

2017年1月3日

テクニクスのレコードプレーヤーといえば名機SL-1200。1970年に世界で始めて開発されたDD(ダイレクトドライブ=モーターの軸をそのままターンテーブルに直結してしまう技術)ターンテーブルは1972年にSL-1200というプレーヤーとしてデビュー。それから38年の長きに渡りアナログレコードを再生し続けてきたSL-1200の型番は「MK6」となっています。

しかしパナソニックではこのモデルの生産中止を発表。後継モデルの予定は無いということで、実質テクニクスのDDプレーヤーは姿を消すことになりそうです。レコードプレーヤーだけでなく、テクニクスブランドのヘッドフォンなども同時に生産を終了し、1965年に登場したテクニクスブランド自体の消滅となる模様です。

引用ここから–

パナソニックの高級音響機器ブランド「テクニクス」が消滅する公算が大きくなった。生産中止となったのは、テクニクスブランドのプレーヤー「SL―1200MK6」やヘッドホンなど。パナソニックは中止の理由について、年々販売規模は縮小し、生産体制の維持や部品調達が難しくなったためだとしている。(2010年10月20日14時33分 読売新聞)

引用ここまで–

ダイレクトドライブが登場するまでは、モーターの回転をローラーで伝えるアイドラドライブ(代表格=ガラード)、またベルトで伝えるベルトドライブ(代表格=トーレンス)が主流でした。しかし、このテクニクスSL-1200が登場してこれらヨーロッパの名機がぶっ飛んだのは事実であります。まさに技術大国日本を世界に知らしめたDDプレーヤーこそSL-1200なのです。

中学生の頃、近所の電気店でテクニクスのアンプA-50を見てそのブラックフェイスに憧れ、大学時代には初代SL-1200+シュアーV15を愛用した私としては感慨深いものがあります。このSL-1200はなんと空き巣に遭って盗まれてしまったので特に印象が深い。テクニクスはまたスピーカーにも力を入れており、位相を重視したリニアフェイズの高級スピーカーも懐かしい。

消え行く懐かしいブランドをノスタルジーで引き止めることも可能ではありますが、時代とともに消えていくのもまた正道でありましょう。つまり役目は終わったということです。特に企業は利益を追求していかねばなりません。ロマンや感情だけで存続させるのも酷というもの。

さて、引退する老兵を拍手を持って送りたいと思います。

2010-11-06