[04]テープコーダー

2016年12月31日

ソニーのテープレコーダーやカセットデッキには型番というのがついているがその頭文字はTCで始まる。TC-355とかTC-465という具合。これは「テープコーダー」の文字から取られているものだ。テープ「レ」コーダーは一般名だがテープコーダーはソニーのテープレコーダーにつけられる固有名詞。つまりテープコーダーはソニーの商品名ということが出来る。

SONY TC-355

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オープンリールのレコーダーはテープコーダー。カセットの場合はカセットコーダーと呼ばれる。しかし、今はオープンもカセットも下火となり、テープレコーダーだろうがテープコーダーであろうがそんなことを気にする人はいなくなった。

ソニーが開発する前にテープレコーダーは存在していたが、いずれも真空管式で大きく重たかった。値段も高く、珍しがられたけれども売れなかった。要するに使う用途がわからず、買ったところでどうしていいかわからないからだ。

ソニーは音楽関係にテープコーダーを売り込むために音質を良くすることに専念。そしてアメリカ開発されたトランジスタを使ってコンパクトにまとめポータブルなものとした。出来上がった製品は音楽関係者に良く売れた。ソニーは市場を開発することも大事さを身をもって体験したのである。今もこの体質は変わらず時々とんでもないものを公開し市場を作ろうとする。失敗に終わることも多いのだが、こういう精神が他の追従を許さないソニーの原点なのだ。

2000-06-10