[11]ソニーの名の由来

2017年1月1日

ソニーの前身は東京通信工業といいます。略して「とうつうこう」。東通工ときいてピンとくる人はかなりの年配かつマニアです。私がまだ小学生の頃、家には一台のテープレコーダーがあり、グリーンに光るマジックアイを装備したテープレコーダーにはTOTSUKO(TOTUKOだったかも?)のエンブレムが貼りつけてありました。家には他にもハワイアンギターやアコーディオンがありました。みんなオヤジが好きで買ったものらしいですが、楽器がひける、ということもなかったようです。要するに単なる新し物好き!?

ソニーを創業した井深さんと盛田さんは、その技術(というよりアイデアとバイタリティ)をアメリカに売り込んで成功した人たち。その功績の立役者はこの「ソニー」という名前であるといっても過言ではありません。「とうつうこう」ではもしかしたら今のソニーは無かったかもしれないのです。

ソニーの経営理念のなかに「市場はなるべく広く持つ」というのがあります。これは一つの市場が何らかの理由で成り立たなくなっても、ほかに市場を持っていれば何とかなる、という一風逃げの理念ですが、実はソニー創業時の貴重かつ苦いな経験から得たものです。。したがってグローバルな市場を開発するには、まずアメリカ人が発音することができない「とうつうこう」は変えなければならないと、早くから考えていました。

なるべく短く、しかもどこの国でも同じように読める。いろいろ考えた挙句残ったのがSONYというわけ。SONYの意味は、音「SOUND」や「SONIC」の語源となったラテン語の「SONUS(ソヌス)」と、小さいとか坊やという意味の「SONNY」を組合わせたもの。当時のソニーはまだ小さい会社が、はつらつとした若者の集まりである、という意味もあったとされます。かくしてSONYのマークを入れたラジオは全世界に広がっていくことになったのであります。

ソニーヒストリー

2000-07-29