[03]TEACの歩み

2016年12月31日

TEACはティアックと読む。最初読めなくてね。ティーイーエーシーなんていってた事もありました。TEACは東京電気音響株式会社のそれぞれの頭文字をとったもの。東京電気音響株式会社の前身は東京テレビ音響株式会社といい、業務用の音声を磁気的に記録する目的をもって生まれました。人類の知的生産の源である「記録」に対する熱い思いを持った会社で、設立は1953年の8月です。

最初は業務上のテープレコーダーを主に生産。その精度や性能は他の追従を許さないものがあり、期待にこたえて発売されたコンシューマー用機器はプロユースな趣向がマニアの心をくすぐり絶大な人気がありました。1970年頃のA-6100に代表される10インチオープンリールテープデッキは、外観や完成度の高さから定番といわれるものです。

当時のライバルを振り返ってみると、AKAI、SONY、テクニクスなどがあり各社しのぎを削っていました。音的にはAKAIがダントツだったような気がしますし、ソニーはアイデアは良いけど壊れやすかった。TEACのは頑丈で音もそこそこ良かったように記憶しています。

そのTEACは今は何をしているかというと主にコンピュータ関係の記憶装置に力を入れています。もちろんかつての栄光を引き継いだオーディオ製品も扱っています。オーディオのブームが影を見せ始めた時、すかさずコンピュータなどの他業種にマーケットを求めた正解だったでしょう。オーディオだけにしがみついていたら今はなくなっていた会社かもしれません。TEACは時代に敏感な企業だということが出来ます。

2000-06-03