最近のクルマはほとんど最初からフォグランプがついています。それも黄色ではなく白いランプです。フォグランプというのは霧の中を走る時によく見えるように照らす補助灯の事。霧の中では白い光だと光膜が出来てしまい、よく見えなくなりますが、黄色の光は波長が長く視認性が良いのです。もっとよく見えるのは赤色なのですが、赤は緊急用ということで許可になりません。
フォグランプは光の角度も広いものをいいます。照射角の狭いものはロードランプといいます。更に狭いものはスポットランプ。しかし、用途を考えればスポットなど使うところはありませんから、広角のフォグランプを装着し、対向車から見てまぶしくないように、光軸をやや左に向け、またヘッドライトより光軸が上に向かないように気をつけます。重い荷物を積んだ時にも、後部車体が沈んでライトが上に向きがちですから、そういう時を見越して上を向かないように気をつけましょう。
黄色のランプは白色ランプに黄色いフィルターをつけるために、約20%暗くなります。もっとも最近は霧の中の走行用というより、ヘッドライトの補助灯として普段使う人が多く、自動車メーカーもわざわざ黄色にせず白色を採用するようになったようです。もともとフォグランプは霧深いイギリスで生まれたもので日本ではほとんど必要ないものなのですが。
欧州車ではリアフォグといって、クルマの後方に赤いフォグランプを付けるようになっています。日本では長らく許可にならなかったが、最近のメルセデスやアウディ、BMWはリアフォグをつけて走っていることがあるので許可になったようですね。これは後ろからくるクルマに対し警告を発するもので、やはり霧深い欧州の慣習から来たもの。国内でもよく見かけるようになりましたが、霧の無い夜にこれを灯けるとブレーキランプが点きっぱなしはないかと思うくらいまぶしい。霧でない日はつけるなー、といいたい。
運輸省(国土交通省)によると、道路運送車両法の保安基準(省令)で前部霧灯(フォグランプ)は
(1)白か淡黄色
(2)ヘッドライトより下で地面から25センチ以上につける
(3)他の交通を妨げてはならない(対向車からまぶしくない)
ことなどを決めています。
よく4駆車のルーフレールにフォグランプを付けているのを見ることがありますが、あれは補助灯としては違法になります。もちろん走行中に点灯してはいけません。ただし、停車しての作業灯としてなら違法ではありません。この場合もちろん作業する時にしか使えませんが。